一時、世間から「このままでは吉本はなくなるのでは」という声もあがっていたが、明石家さんまは自身のラジオ番組で「ここ(吉本)にいて、若い困っているやつらをなんとか助けてあげることができるように、今は辞めるつもりはないです」と発言。騒動の渦中で「宮迫を引き取る」とも宣言し、自身の個人事務所「オフィス事務所」で面倒を見る男気も見せた。

「さんまさんや引退した島田紳助さんなどは、一番凄い時で月収1億円入っていたとも噂されていますが、それほどの稼ぎがあるので節税対策のために個人事務所を持つことが許されているんです。会社には十分すぎるほどのお金をいれているし、仕事もよしもとを通さず直で入ってくる。詳細はわかりませんが、一部の仕事は個人事務所のほうに入るのではないでしょうか。ギャランティの管理をするためのスタッフ代や高級車や自宅にかかる費用などを経費にすれば節税にもなりますからね。もちろん若手であっても、直で営業するならちゃんと事務所は持っていたほうがいいと思いますけどね」(同)

 かつて芸能事務所で芸人部門を担当したこともある、お笑い現場評論家のKENJI氏は「大手事務所にいながら個人事務所を持っている芸人さんもたくさんいます。実は松竹芸能にもその傾向があって、松嶋尚美さんはまだコンビ時代に個人の仕事が増えて事務所を設立し、今では松竹を離れて完全に移籍しています。また、笑福亭鶴瓶さんもデンナ―システムズという事務所を持っています」と解説する。

■スタッフ全員に高級弁当を差し入れ

「さんまさんは大崎会長の元上司だった木村政雄元取締役らの、第一次吉本東京進出(漫才ブームの頃)時に成功した。なので、現執行部である大崎会長ラインに対しても、突き放してモノを言える立場にあると思います。今でこそ、吉本興行は東京で成功し、中央政界にも食い込んで芸能界の中で大きな成功を収めている。だが、かつては大阪から上京した芸人が東京のテレビ業界の中で“孤軍奮闘”していた時期もあった。その時代を知っているからなのか、さんまさんは多くの芸人と違ってテレビ現場のスタッフにもめちゃくちゃ気を遣うんです。年末になると技術系なども含めた全スタッフに高級弁当を差し入れしたりしていました。芸能人だけでなく、プライベートでも遊びに行くスタッフが多く、人間関係を大事にして手厚く扱っているんです。今回の騒動で宮迫さんを引き取るとの発言も、個人事務所の存在とスタッフとの強固な絆があるからこそ言えたんだと思います」(在阪テレビ局スタッフ)

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スタッフとの絆を大事に