大のドラゴンズファンの立川志らく (c)朝日新聞社
大のドラゴンズファンの立川志らく (c)朝日新聞社

 落語家の立川志らく(55)が、9月いっぱいで終了すると言われている朝の情報番組「ビビット」(TBS系)の後番組のMCに内定したと「女性自身」や「日刊ゲンダイ」などが報じた。現在、志らくは同局の昼のワイドショー「ひるおび!」に出演し、毒舌コメントでたびたび賛否両論を巻き起こしている。最近では川崎市で起きた連続殺傷事件に関して、犯人に対して「死にたいなら1人で死んでくれ」と発言して炎上したばかり。

 このところ、お笑い芸人を情報番組やワイドショーのコメンテーターとして起用するケースが増えてきているが、過激な発言が物議を醸すケースも多い。民放報道番組制作スタッフは懸念を示す。

「川崎の事件に限らず、昨今の事件において社会と関わりが持てない人間が犯行に及んだケースが多い。それに対して『1人で死ね』という発言は、テレビ的な瞬間芸としては視聴者の興味を引く発言である一方、問題の構造を全く理解していないということがわかります。視聴者に強いインパクトを残し、『意外と間違ってないかも』などと思われてしまいがち。何かと問題視されていることの多い『バイキング』(フジテレビ系)以降、こうした強い言葉で視聴率を狙うような番組が増えていて心配になります」

 ダウンタウン松本や極楽とんぼの加藤浩次、坂上忍など毒舌キャラのタレントコメンテーターが支持を得ている昨今のワイドショー。ここに出遅れた感のあるTBSが投入したのが立川志らくというわけだ。絶妙で軽妙な毒舌で知られた志らくのキャラクターを考えると、MCになったときの影響は計り知れない。志らくの発言は日々、ネットニュースにとりあげられがちで、先日も自身が大ファンだという中日ドラゴンズがファンに対して応援歌の自粛を要請した件に対して、ツイッターで批判を繰り広げ、話題を振りまいていた。

「これまで志らくさんといえば、ワイドショーのコメンテーターで辛口なことを言う落語家のおじさんという世間のイメージしかなかった。しかし、昨年の『M-1グランプリ2018』で審査員を務めたことで、若者の間でも認知が広がりました。志らくさんの毒舌は芸人としてのリップサービスみたいなもの。ときには炎上してでも視聴者層の代弁者として振る舞うことが良いいう判断もあると思います。本人も、テレビ出演はすべて落語のため、というスタンスがあるようですが、志らくさんの落語をテレビで見ることは少ないですし、ここでしっかり結果を残していかないと毎朝、炎上覚悟で出てくる意味がない。朝のワイドショー枠は激戦区ですし、かなり気合をいれているんではないでしょうか」(テレビ情報誌の編集者)

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