圧倒的なコミュニケーション力を誇る長友佑都 (c)朝日新聞社
圧倒的なコミュニケーション力を誇る長友佑都 (c)朝日新聞社

「僕はホントにコミュニケーションの部分では自信を持っていて、自分でも『コミュニケーションの鬼』だと思ってます。コミュニケーションの世界大会あったらホントに優勝できるんじゃないかと思うくらい(笑)。その実力を今の日本代表で生かしたいです」

 これは森保ジャパン発足直後だった2018年10月のパナマ(新潟)・ウルグアイ(埼玉)2連戦の際に長友佑都が冗談交じりに口にしたコメントだ。

 この時期の日本代表は2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシアの3度のワールドカップを主力として戦った長谷部誠や本田圭佑がチームを去り、「本田・長谷部ロス」がささやかれていた頃。中島翔哉、南野拓実、堂安律の“三銃士”が躍動し、チーム自体に勢いはあったものの、個人の知名度やタレント力ではどうしても先人たちと大きな差があった。その現状をひしひしと感じたからこそ、長友は「森保ジャパンの広報部長」を買って出たのだろう。そこからというもの、彼は“長友語録”とも言えるほどのトークでメディアやサポーターを魅了し続けている。

 印象的だったコメントの一例を挙げると、次のようなものがある。

「堂安はビッグクラブに行けるポテンシャルがある。僕はインテルで若い頃のフィリペ・コウチーニョ(バルセロナ)やコバチッチ(チェルシー)と一緒にやってきましたけど、能力的に全然劣ってないですよ」(1月7日・アジアカップ開幕直前)

「大迫とアズムンはアジアでちょっと抜けているプレーヤーだと。アズムンは全盛期のカカほどではないけど、足が速くてゴールも狙えてパスも出せる。カカみたいな怖い危険なプレーヤーだと思います」(1月26日・同準決勝イラン戦直前)

「(冨安は)20歳でアズムン相手にスーパーの連続。すごいね、規格外だね。この舞台で、この緊張感で、あの落ち着き。どんどん飛躍してビッグクラブで戦える選手になってほしい。僕はお父さん気分です」(1月28日・同イラン戦後)

次のページ
ピッチ外でも代表をアピール