写真右はついに代表デビューを飾った久保建英 (c)朝日新聞社
写真右はついに代表デビューを飾った久保建英 (c)朝日新聞社

 6月9日にひとめぼれスタジアム宮城で行われたキリンチャレンジカップ、エルサルバドル戦で注目の18歳・久保建英が日本代表デビューを飾った。

 久保がウォームアップゾーンからベンチに向かっていった時、“その瞬間”を予感した観衆から大歓声が起こった。そのとき、久保は「スタジアムも結構オープンな感じだったのに、めっちゃ『わー!』って聞こえたので、なんか、ピリピリじゃないですけど、ひしひしと期待を感じました」という。

 本人もファンも期待していた瞬間が訪れたのは67分。南野拓実と代わり、トップ下に入った。

「試合前に45分はこの前と同じフォーメーションでやると言われていたので、そのあと変えるかもしれないとミーティングであって、それで自分が出るときは4−2−3−1になっていて、それは自分、分かってなかったんですけど、出るときにトップ下だと言われて、でもトップ下けっこうやりやすいので、特に問題はなかったです」

 すると、ピッチに立ってからわずか5分後、今度はプレーでスタジアムを沸かせてみせた。大迫勇也のパスを受けると、鋭いドリブルで敵陣右を切り裂き、「いこうかなと思って、2人の間を狙ったら、スルッて良い感じで抜けて」と相手守備陣に囲まれた中で左足の柔らかなタッチで間に割って入り、決定機を生み出した。

 残念ながらシュートは「巻こうと思ったんですけど、ちょっと浮き上がらなくて。最後キックのところで上を狙っていたのに、下に行っちゃった」とイメージ通りのところに飛ばず、相手GKに阻まれたが、名刺代わりの個人技でさらなる期待感をあおった。

 緊張してもおかしくないデビュー戦で森保ジャパンの主力アタッカーに混ざってプレーしても、彼らと遜色ないどころか、観客を熱狂させるクオリティを披露。久保も「こんだけうまい選手が集まれば、ひとりくらい入っても、別に違和感なくやれるだろうなって思っていたので、そういう意味では短い時間でしたけど、自分がやるべきことは示せたのかなと思います」と代表でのプレーに手応えを感じた様子だった。

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