ホワイトバランスは色温度(ブルー/アンバー)と色偏差(グリーン/マゼンタ)の組み合わせで調整される(イラスト/やまもと妹子)
ホワイトバランスは色温度(ブルー/アンバー)と色偏差(グリーン/マゼンタ)の組み合わせで調整される(イラスト/やまもと妹子)
カラーメーターは被写体に当たる光の色温度と色偏差を測定できる。カメラのWBの色温度設定にこの色温度を入力し撮影する。色偏差のズレも調整可能(イラスト/やまもと妹子)
カラーメーターは被写体に当たる光の色温度と色偏差を測定できる。カメラのWBの色温度設定にこの色温度を入力し撮影する。色偏差のズレも調整可能(イラスト/やまもと妹子)

 写真を撮ると実際の色とかけ離れてしまうという悩みを持った方も多いと思う。写真の色は、光源の色、被写体の色の反射率、センサーやフィルムの分光感度(何色にどれだけ反応するか)で決まる。デジタルでは、分光感度は決まっていてもバランスを変えられるので、たいていの光源の下で被写体本来の色を再現(白いものを白く)できる。これがホワイトバランスの考え方である。

【カラーメーターの理解を深めるイラストはこちら】

 プリズムなどを使って光の色成分を分解すると虹のような多色になるが、光の色をブルーからアンバーに変化していく方向で数値化したものを色温度と呼び、ケルビン(K)という単位で表す。これに対し、グリーン側やマゼンタ側のズレを色偏差とよぶ。つまりホワイトバランスとは色温度と色偏差を組み合わせて調整することで成り立っている。

■正確に計測するカラーメーター

 では、どのような方法でホワイトバランスを調整するのか。まず光の色温度や色偏差を正確に測るならカラーメーターという機械を使う。測定した値をデジタルカメラに入力すれば、ホワイトバランスを光源に合わせられる。カラーメーターで測った色温度を、カメラの色温度指定で設定、ホワイトバランス補正で色偏差の補正をする。カラーメーターは光源の色温度を数値として把握できるので管理がしやすく、また表現として色温度をずらす場合も毎回同じ数値をずらせば自分の写真の色に統一感が生まれるという利点もある。

 一方で、最も手軽なのはデジタルカメラのオートホワイトバランス(AWB)を使う方法。カメラに任せて撮影できるので、煩わしさがない。ただ同じ光の下でも被写体によっては違う色に変わってしまったり、蛍光灯と電球のような複数の光源が混在する被写体では安定しなかったりと、意図どおりの色を再現できないことがあるので注意が必要だ。

 これとは別に、カメラのホワイトバランス設定には晴天、日陰、曇天、電球、蛍光灯などを選択するモードがある。多くはアイコンで選べるようになっており、撮影シーンに合わせることでホワイトバランスを合わせられる。太陽が光源となる晴天、日陰、曇天や電球は色温度が調整されており、蛍光灯に関しては色温度とともにグリーンかぶりを補正するための色偏差調整もされている。固定されるので、AWBのように撮影のカットごとに色が変化する心配はない。モードごとに色温度と色偏差の微調整ができるものや、蛍光灯の種類を選択できるカメラもある。あえてシーンと違った光源のアイコンを選び、色を変えて遊んでも楽しい。なおカメラメーカーによって、同じアイコンでも想定している色温度が異なるので、注意。

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実際に白いものを撮影して設定する