彼が隣の県の自宅からエミさんの家まで車で迎えに来てくれて、菜の花が咲く海岸道路をドライブしたことも。その日はバレンタインだった。

「つき合っているなら、手作りチョコだと思って、50歳にして初めてチョコを作りました。彼は早朝からのドライブですごく疲れたみたいで、チョコの箱を開けないで帰ちゃいましたけど(笑)。彼の車は白で、顔がじゃがいもみたいだから、迎えに来てもらったときは、白馬(白い車)に乗った王子様(男爵)って本当にいるんだ!と心の中で盛り上がっていました、うふふ、余談ですけどね」

 何回もデートを重ねたが、デートは日帰りで意外に“清い”つき合いが続き、エミさんは彼がもしかして何か特別な事情があって、私とのつき合いはカモフラージュではないかと疑ったこともある。

「『ホテルを予約したから、今夜はホテルに泊まろう』って。すごく突然、お泊りデートの誘いがありました。えーっ!って感じで、焦りましたよお」

 その頃、エミさんは病気のお父さんにアロママッサージをよくしてあげていた。泊まった夜、彼にもしてあげたところ、すごく気持ちがよかったようで、心からリラックスできたそうだ。

「年上っていいかも、って思ったかもしれませんね(笑)。その後はデートをするたびに彼が同じホテルを予約するので、泊まるともらえるぬいぐるみがたくさんたまっちゃって。1泊で2個ももらえるから、ベアちゃんが何匹も!」

 年末には海外旅行をしたことも。

「彼はマイルがたまったから旅行をするというので、旅行の最終日をシンガポールにしてもらい、私はシンガポールで彼と落ち合いました。その日は彼の誕生日。トルコ料理のレストランで彼の誕生日を祝ってからちょうど1年経っていました。私はシャンパンと花火のロウソクを立てたケーキを用意して。私はこの日もサプライズができて大満足でした。彼は疲れてヨレヨレでしたけど」

■思いがけないプロポーズにうれし涙

 年明けの1月、公園を散歩して、おだやかな海を見ていたときだ。

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思いがけないプロポーズ