近藤氏は竹野内豊を起用した大和ハウスのCMや、高畑充希とバイきんぐ・西村瑞樹のコミカルな展開が楽しいダイハツのCMなどを手がけている。今回のCMもまさに彼の演出にピッタリとハマった役者たちが演技を繰り広げている。

「実はアタックZEROのCMを手がけては、auの『三太郎』シリーズと同じ電通のクリエーティブチームなんです。auはずっとCMランキング1位で好感度がものすごく高い。そしてその両方のCMに起用されているのが菅田さんなんですよね」(CM制作ディレクター)

■お笑い芸人とのやりとりを見て男性視聴者も認め

 なぜこれほどに菅田は人気なのだろうか?

「一つは、露出が多くて好感度が高くて露出が多いのに、さまざまな役を演じ分けられるので既視感が少なく、使いやすいんだと思います。それについては、事務所が本人に対してのイメージをガチガチに決めこんでいないので、扱う側も本人も楽なんでしょう。菅田さんは仮面ライダー時代に、30代後半の女性を味方につけてから、auのCMで若い女子のハートをつかんでブレークしました。また、彼の独特な雰囲気と世界観は女性をとりこにしています」(前出の広告会社テレビCM担当)

 また、最近では男性からの人気も高まっており、俳優としてのステージが一段上がったと見る向きも。

「彼が持つ独特の個性は、最初、男性から見ると『どこがいいのかわからない』という感じだったと思います。しかし、菅田がお笑い好きでさまざまな芸人との親交が深く、芸人たちからもかわいがられている姿を見て、男性視聴者も『いいヤツなんだ』という印象を持つようになってきた。『しゃべくり007』や『行列のできる法律相談所』(ともに日本テレビ系)などで芸人と絡んでいる姿を見ていると、彼の人懐っこい部分が全面的に出ていますよね。そういう部分は男性からも好かれるんだと思います。個性的な格好をしている芸人に対して『菅田が濃い! その格好をして似合うのは、菅田将暉だけ!』といったようなツッコミをされることもありますが、そこで名前を出されるのも、彼の個性が認知を得ているうえで、好感度が高いことの証明です」(芸能事務所関係者)

 芸能リポーターの川内天子氏は、菅田は演技力以外にも強力な“武器”を持っていると言う。

「菅田さんは俳優なのに、台本なしで司会者や芸人顔負けのフリートークができるところが強みでしょう。ラジオ番組まで持っているので、自分の言葉で、いろんなものを表現できる。そんな役者はなかなかいません。2月に先輩である中村倫也がエランドール賞を受賞したとき、菅田さんがサプライズ登場したことがありましたが、ステージにあがって観客を笑わせ大いに場を盛り上げた。その姿は俳優というより一流のエンターテイナーでした。こうした彼の持つ才能は、もちろん役作りのうえでも大きなプラスとなっていると思います。数年前まで、他の若手イケメン俳優たちと“どんぐりの背比べ”だったこともありましたが、そこから一人勝ちできたのも、こうした才能があってのことでしょう。絶好調な今の姿を見ると、間違いなく一皮むけた感じがあります。今後も人気が衰えることはないでしょう」

 多くの人の期待を背負って彼の快進撃はしばらく続きそうだ。(ライター・黒崎さとし)