DeNAのネフタリ・ソト選手 (c)朝日新聞社
DeNAのネフタリ・ソト選手 (c)朝日新聞社

「いつまでやらせるのかな…」と他球団のスコアラーが守備練習に目を向ける。視線の先にいるのが二塁を守るDeNAのネフタリ・ソトだ。来日1年目の昨季は41本塁打をマークして本塁打王を獲得。17年11月に入団テストを受けて、年俸3500万円で入団した格安助っ人の想像を超えた大活躍に驚いた人は多かった。

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 ソトの凄さはまだまだ伸びしろがあるところだ。年齢も30歳と脂が乗りきっている。昨年は開幕前に故障し、外国人の登録枠の関係もあり1軍デビューしたのが5月に入ってから。セ・リーグの公式戦で、4月終了時点で本塁打を1本も放っていなかった選手が本塁打王を獲得したのは史上初の快挙だった。107試合出場で41本塁打だったが、全試合出場して同じペースで打ち続けたと想定すると、55本塁打になる。今年もチームメートの筒香嘉智と共に本塁打王争いを繰り広げるのは間違いないだろう。

 一方で懸念されているのが守備位置だ。本職は内野だが、外野での練習を重ねて昨年は右翼で最多の76試合出場。一塁は33試合、二塁は25試合守っている。ソトの不安は内野での送球だ。前出のスコアラーは「ソトの二塁は不安が多いと思います。守備位置もそんなに広くないし、送球が一定しない。今年の春季キャンプも見ましたが課題が解消されているように見えなかったです」と分析する。一方でチーム事情もある。ラミレス監督は右翼に梶谷隆幸を起用する方針で、「超攻撃型オーダー」として二塁にソトを組み込んだ。

 真面目な性格で練習量も日本人以上に黙々とこなすという。二塁の守備で頭を悩ませて打撃に影響を及ぼすことも危惧される。右翼で先発起用が予定されていた梶谷は昨年8月に右肩のクリーニング出術を受け、キャンプは2軍スタート。今月16日から1軍に合流する。右肩の状態は万全でなく、急ピッチで調整を進めているが開幕に間に合うかは微妙な状況だ。梶谷の状態次第では、ソトが右翼に「再コンバート」される可能性は十分にあるだろう。(春日哲也)