動物以外にも、危険は身近に潜んでいる。18年のキャンプ前には、かつてNFLでQBとして活躍したことで知られるメッツのティム・ティーボウ外野手が、スプリンクラーを踏んづけて左足首をねんざするというアクシデントに見舞われた。当時のティーボウはメジャーデビューを目指してアピールしていただけにこの不運は痛く、結局はアメリカンフットボールから転向2年目の今季もマイナー暮らしで終わってしまった。

 少し古い話になるが、08年にはハンター・ペンス外野手(当時アストロズ)がガラス製のドアに気付かずそのまま突っ込んでしまい、全身のいたるところに切り傷を負うという、今でも語り草の珍事を起こしている。ただし重傷には至らず、メジャー2年目のペンスはこの年、157試合に出場して打率.269、25本塁打、83打点、11盗塁の好成績をマーク。以降も長く活躍する一流選手の仲間入りを果たした。

 06年には、あの大打者ケン・グリフィー・ジュニア外野手(当時レッズ)も意外な理由でオフに大ケガをしている。バカンスに訪れたバハマで家族サービス中、子どもとプロレスごっこをしていて手首を骨折してしまったのだ。それでも翌07年の開幕には間に合ったグリフィーは珍しく長期離脱せずにシーズンを全うし、144試合に出場して打率.277、30本塁打、93打点と活躍。3年ぶり13回目、そして自身最後のオールスターにも選出された。あるいは成績不振だと子どもがケガの責任を感じてしまうと奮起したのかもしれない。

 今オフも、もしかしたらビックリするような理由でケガをするメジャーリーガーが出るかもしれない。避けられない不運もあるだろうが、できれば君子危うきに近寄らずの精神で自重し、シーズン開幕には響かないで済むようにしてもらいたいものだ。