日産のクーデター失敗で西川社長が明智光秀になる日 ゴーン再逮捕も特捜部敗北の危機

2018/12/12 10:05

再逮捕されたカルロス・ゴーン前会長 (c)朝日新聞社
再逮捕されたカルロス・ゴーン前会長 (c)朝日新聞社
日産の西川広人前会長(撮影/西岡千史)
日産の西川広人前会長(撮影/西岡千史)

「公判は大荒れだな」

 2010年に金融相として1億円以上の役員報酬の開示制度を導入した亀井静香・元衆院議員は、法務省の現役幹部に電話をかけてこう話した。カルロス・ゴーン日産前会長(64)が逮捕された当初、特捜部はゴーン氏の特別背任や横領を視野に入れて捜査していると思われていた。しかし、今ではその兆候はみえない。

【写真】クーデター説が消えない日産の西川社長

 東京地検は10日、ゴーン氏とグレゴリー・ケリー同社前代表取締役(62)を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴。同時に、法人としての日産も起訴した。また、特捜部は同日、2015~17年度の報酬計約40億円分も有価証券報告書に過少に記載したとして、同容疑で2人を再逮捕した。一方、特別背任や横領については捜査の進展はない。

 亀井氏が法務省の現役幹部に電話をかけたのは、再逮捕が発表される1週間前。すでにその頃から、特捜部が世界に向けて振り上げた拳が空振りに終わりかねない状況になっていた。亀井氏はこう語る。

「検察は、ゴーンさんに“闇”を感じていて、捜査でその全体像の解明を目指しているのではないか。しかし、大きな疑惑が明らかにできなかったら『幽霊の正体見たり枯れ尾花』。検察の失態となる」

 事件は新しい展開を見せている。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9日、「事情に詳しい関係者」の話として、ゴーン前会長が逮捕前、経営不振を理由に西川広人社長の更迭を計画していたと報じた。ゴーン氏は、米国市場の不振や日本で相次ぐ品質検査不正問題で西川社長の手腕に疑問を感じていて、11月下旬の取締役会で解任の提案をするつもりだったという。

 たしかに、日産の18年度上期の中間決算は営業利益2103億円で、前年同期比25.4%減。今年度の営業利益見通し5400億円の達成は危うくなっていた。5年前の2013年11月には、2期連続の業績下方修正を理由に、ゴーン氏は当時の最高執行責任者で日本人トップである志賀俊之氏を解任した。その歴史からすると、粛清人事が再び行われてもおかしくはなかった。

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ゴーン逮捕で取締役会の勢力が逆転

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