ゴーン逮捕は勇み足? 日産のクーデターに加担した東京地検特捜部の受難 (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ゴーン逮捕は勇み足? 日産のクーデターに加担した東京地検特捜部の受難

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西岡千史dot.
カルロス・ゴーン容疑者 (c)朝日新聞社

カルロス・ゴーン容疑者 (c)朝日新聞社

ゴーン容疑者逮捕後の会見で一度も頭を下げなかった西川広人日産社長(撮影/西岡千史)

ゴーン容疑者逮捕後の会見で一度も頭を下げなかった西川広人日産社長(撮影/西岡千史)

 司法取引──。これが今回の事件を読み解くキーワードである。日本版司法取引は、今年6月に導入された。贈収賄や談合などの経済犯罪のほか、薬物や銃器犯罪などの組織犯罪がおもな対象だ。司法取引が国内で適用されるのは、今回で2例目。司法取引によってゴーン容疑者の逮捕が実現したことから、前向きに評価する声も出ている。

 しかし、今回の司法取引の手法は正しかったのか。元東京地検特捜部検事の郷原信郎氏は、こう話す。

「日経新聞によると、『過小』と判断された役員報酬は、株価に連動した報酬40億円を有価証券報告書に記載していなかったとのことです。日産関係者が記載するよう指摘したところ2人は拒否したとのことですが、これが事実だとすると、ゴーン氏とケリー氏の報酬は日産から現金で支払われていたことになる。最終的には会社が組織で不記載にしていたということです。2人の刑事責任が重いのは当然としても、他の日産幹部も刑事責任を問われることは避けられません」

 それでも他の日産幹部が逮捕される気配はない。そこには、日産社内外の複雑な政治力学がからみあっているようにみえる。

 西川社長は、会見で繰り返し「ルノーのトップが日産のトップを兼任するのは、ガバナンス上問題があった」と説明した。ルノーは、日産の株式の43%を保有していて、日産の経営に強い影響力を持つ。さらに、経営不振が続くルノーは、日産との提携強化を望んでいる。一方、日産の経営陣には、ルノーが送り込んだ外国人の役員が多くいる。この現状について、会見で西川社長は「ゴーン会長に権限が集中していた」と説明。現在の体制を「負の遺産」と表現して、断罪した。

 事件発覚後の行動もすみやかだった。ゴーン容疑者の逮捕が明らかになったのは、19日夕。同日22時には西川社長による記者会見が開かれた。翌20日午前には、日産の川口均専務執行役員が首相官邸を訪問。菅義偉官房長官に、騒動を起こしたことを謝罪した。22日には取締役会議が開かれ、ゴーン容疑者とケリー容疑者が解任される見通しだ。


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