“破天荒なまちおこし”で未経験の職員が妖怪制作…「感動すら覚える」その結果とは? (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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“破天荒なまちおこし”で未経験の職員が妖怪制作…「感動すら覚える」その結果とは?

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2018年10月に辻川山公園内に設置された第4回全国妖怪造形コンテスト・一般部門の最優秀作品「怪しい抜け道」(作者・青千代さん)の大型FRP像。左奥に見えるのが柳田國男の生家だ

2018年10月に辻川山公園内に設置された第4回全国妖怪造形コンテスト・一般部門の最優秀作品「怪しい抜け道」(作者・青千代さん)の大型FRP像。左奥に見えるのが柳田國男の生家だ

池から飛び出すカッパは3体に増えた。相変わらずの人気ぶりだ

池から飛び出すカッパは3体に増えた。相変わらずの人気ぶりだ

 公園の池の中から突然現れる不気味な「カッパ」で話題となった兵庫県福崎町が、2014年から始めた「全国妖怪造形コンテスト」が、5回目となる今年で終了する。回を重ねるごとに応募数が増え、まちおこしに一役買っていたコンテストが、なぜ最終章を迎えることとなったのか――。

【驚愕のラフ画や完成した妖怪たち、過去の受賞作はこちら】

 福崎町の破天荒なまちおこしは、14年2月、町出身の民俗学者、柳田國男の生家がある辻川山公園の池に、定期的に飛び出す仕様の“キモカワ”カッパ像が設置されたことから始まった。

 赤茶けた体に生気のない目、しわしわの手、ばさばさの髪……・各地の自治体で好まれる可愛らしいキャラクターから一線を画した薄気味悪い像はたちまち話題となり、公園には多くの人が訪れるようになった。降ってわいたカッパブームに気を良くした町が、さらなる振興策として企画したのが、妖怪をモチーフにした造形作品を募るコンテストだったのだ。

 コンテストの題材は、毎回、柳田の著書『妖怪談義』に出てくる妖怪から選出。14年の初回は、113点の作品が集まった。「妖怪+造形」をテーマにしたコンテストは話題となり、17年は初回の約2倍、216点が寄せられた。

 ところが、18年5月、コンテストのフェイスブックページに、5回目の告知と終了が投稿された。突然の知らせに、2500人を超えるフォロワーは困惑、「寂しい」などと終わりを嘆くコメントが寄せられた。

 なぜなのか。自らも造形を愛し、「妖怪+造形」のまちづくりの立役者でもある事務局の地域振興課課長補佐、小川知男さんに理由を聞いた。返ってきた答えは「諸事情ありますが、大きくは、FRP(強化プラスチック)像を置くスペースですかね.……」

 コンテストの最優秀作品は、大型FRP像となって公園内に設置してきた。現在は、コンテストの歴代テーマであるてんぐ、山の神、鵺(ぬえ)、砂かけ婆の4体が建てられている。入り口から奥にある柳田の生家へ向かうように配置していったところ、なんと、5体目を置くと、新たに像を建てるスペースがなくなってしまうのだ! 最初からわかりそうなものだが……。

 こうして終了が決まったコンテストだが、毎回、ひそかに注目を集めてきたものがある。事務局の町職員が手掛けるエキシビション作品だ。小川さんは初回から、第3回からは、造形にまったくなじみがない他の職員も参加してきた。


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