そんな、愛すべき存在が、たいていは飼い主よりも先にあの世へ往くのである。

「『親が死んだ時より悲しい』と話される方も、かなりいます。火葬炉に入れて姿が見えなくなった瞬間、悲しみが一気に押し寄せて泣き崩れ、腰を抜かして立てなくなった方もいらっしゃいました。動物は全身、フサフサとした毛で覆われているせいもあるでしょう。死後硬直して冷たくなる人間とは違って、その遺体はまるで寝ているような感じなのです。だから、なかなか死を受け入れられない飼い主の方も少なくありません」

 そんな時、成田さんはこう説法するという。

「ネコちゃんやワンちゃんは間違いなく、極楽往生できますよ。あなたもいずれ、あの世で再会できますから、そのためにはあなた自身がきちんとお念仏を唱えてくださいね。それがペットとの再会の約束になります。ペットが亡くなっても、あなたとのつながりはずっと続くのですよ」

(ジャーナリスト・鵜飼秀徳)

※本稿は『ペットと葬式 日本人の供養心をさぐる』(朝日新書)から一部、コンテンツを抜粋し、再編集したものです