もちろん、平均年収でファンを区別することは一切ないのだが、収入の高い家庭の人たちの購買行動を分析すると、クレジットカード決済を導入することは彼らの利便性を考えれば当然の帰結だった。

 POSシステムとクレジットカード決済の導入の効果は如実に表れていて、チームのオフィシャルグッズの販売が主となるMD(マーチャンダイジング)の売上高も飛躍的に伸びた。

 Bリーグ2年目となる昨シーズンは、初年度の2.44倍となる1億5074万4449円を記録した。

 特筆すべきは、代表取締役の島田がBリーグ開幕直後から他クラブに対して経営のノウハウを惜しげもなく公開してきたことだ。その背景には、スポーツはメーカーとは異なり、市場を独占しても発展しないという考えがある。リーグとクラブがともに成長していかなければ、バスケットボール界の成長も望めない。大枠であるバスケットボール界の成長がなければ、ジェッツの飛躍的な成長も望めないという思いがそこにはある。

 そして、そんなクラブが競技面でも、経営面でも、Bリーグを引っ張る立場にいることが、今後のバスケットボール界の発展を期待させるのだ。(文・ミムラユウスケ)