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6年間で3倍の数に! 「企業内弁護士」がここまで急増する理由

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企業内弁護士を多く抱える企業トップ20。日本組織内弁護士協会調べ(2017年6月末時点)

企業内弁護士を多く抱える企業トップ20。日本組織内弁護士協会調べ(2017年6月末時点)

企業内弁護士の採用者数。日本組織内弁護士協会調べ(各年の調査時点は6月)

企業内弁護士の採用者数。日本組織内弁護士協会調べ(各年の調査時点は6月)

 契約書の審査に当たっては、自社の事業内容は当然のこと、当該契約に関する事業内容の深い理解が欠かせない。企業内弁護士を求める企業ニーズが高まっている背景には、外部弁護士では短時間で理解することが難しい自社事業内容に企業内弁護士であれば精通することができ、適切で迅速な契約審査につながると考える企業の狙いがある。

■広がる渉外法務

 社会・経済のグローバル化に伴い、法務においても渉外法務が面白い。

 渉外法務とは海外との関わりがある法務分野のことで、その代表例が海外企業のM&Aになる。弁護士は日本企業が海外企業を買収する際の道先案内役を務め、買収先企業国の法令をはじめ、事業内容や資産価値などを調査し、適切な買収案を検討する。そのほか海外投資家を視野に入れた投資ファンドの設計や海外投資家に対する日本の不動産取得のスキーム作りなど、仕事の内容はグローバルかつダイナミックだ。

 第二の分野が、事業のグローバル化に伴う企業法務の国際化だ。取引、知的財産、雇用、独占禁止法や不正競争防止法に関わる案件などの企業法務にも渉外要素が入り始めている。海外企業と取引する国際事業は中小企業にも広がっているため、企業法務の国際化対応が求められる企業の裾野は広がり、環境や医療、農業分野などを含めて多様なビジネスに触れることができるチャンスに恵まれている。

 渉外法務は、経済や金融だけではなく、人権や家事分野にも裾野を広げている。国際相続問題をはじめ、国際離婚に伴う子どもの親権問題や外国人の在留資格を巡る紛争などだ。日本の在留資格のない家族が子どもも含めて強制送還されてしまうケースであれば、弁護士が日本で育った子どものことを考慮してほしいと裁判所に救済を求めることになる。

 人権や家事分野における渉外要素を含む法的問題への対応方法は定まっているわけではないため、弁護士は事件の一つひとつと向き合い、その事件にふさわしい解決方法を導かなければならないだけに、家事渉外事件はやりがいの高い分野といえる。

■公益性のある任期付公務員弁護士

 任期付公務員弁護士は弁護士登録をしたまま任期を区切って公務員としての職に就くことになるが、任期は1~5年が目安となる。

 任期付公務員を採用する機関は、中央省庁(国家公務員)であれば金融庁、消費者庁、財務省、経済産業省などで、地方公務員であれば都道府県や市となる。

 金融庁では金融商品取引法に基づいた企業の管理・監督や改正法案の検討などを担い、都道府県や市では新しい条例や条例改正の検討、人権擁護活動、法律相談などを担う。いずれも法律家としての専門性を公益に生かせるという点に面白みがある。

(文/インターアドミッション)


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