関空を襲った「高潮」、危険性は津波に匹敵? 知られざるリスクを災害研究者が指摘 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

関空を襲った「高潮」、危険性は津波に匹敵? 知られざるリスクを災害研究者が指摘

このエントリーをはてなブックマークに追加
河田惠昭dot.
高潮が起きるメカニズム。台風が気圧と風特性に変化をもたらし、高潮が生じる

高潮が起きるメカニズム。台風が気圧と風特性に変化をもたらし、高潮が生じる

■高潮が襲ったら避難は不可能?

 洪水、すなわち川を流れる水量は有限で、堤防が決壊した時点以降は、河川の水面が下がるから洪水の破壊力は時間の経過とともに衰える一方である。ところが、高潮は海の水であるから、堤防が決壊しても台風が通過しない限り、海面は下がらず、勢いがなくなるわけでもなく、下手をすると一層高く海面が上がり、風も勢いを増しかねない。
 
 そして、高潮が最盛期、すなわち海面上昇量が最大の時は、風も強く、雨も激しくて家を出て避難できないのである。そこが洪水と違うところである。

 伊勢湾台風当時、木造住宅の対災性は低く、たとえば1本の重量が1トンを超えるような輸入原木が貯木場から高潮と波浪によって海岸堤防を越えて市街地に流入し、衝突した住宅が、簡単に全壊した。このように台風時における高潮は大変危険であって、それは津波に匹敵すると言っても過言ではない。

◯河田惠昭(かわた・よしあき)
関西大学社会安全学部特別任命教授、人と防災未来センター長。東日本大震災復興構想会議委員。専門は防災・減災、危機管理。おもな著書に『日本水没』(朝日新書)がある。

※『日本水没』(朝日新書)から抜粋。内容は2016年7月刊行当時のものです


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい