■「ジョジョ」の不評を見事に覆すことができた?

 一方で彼の演技力の向上に注目する声も。映画ライターのよしひろまさみち氏はこう語る。

「主演した『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(17年公開)では、一部の観客から『演技が下手』という声が上がりましたが、もともと山崎賢人の演技はそこまで悪いわけじゃない。今はまだ23歳で役者として成長中で、自分の演技を徐々に身に着けていく時期だと思います。恋愛映画で大ヒットして、王子さま的な役割で売り出していたところで、いきなり『ジョジョ~』のような、強烈な個性と人気がある作品の主演にはめられたのだから、叩かれても仕方ない。今回のドラマはサヴァン症の主人公というところで、若手の俳優ならだれもが挑戦してみたい役どころ。うまくハマったので、今後のステップになるんじゃないでしょうか」

 広告代理店の関係者は、今回のドラマに期待を寄せている。

「今の山崎は、実は意外とギャラが高くないという事情もあります。同年代で圧倒的に知名度がある菅田将暉(25)に比べると、出稿の決定権を握っている企業の上層部の間の認知度はまだまだ低い。今回のドラマでは女性視聴者の評価や感想などに注目しています。特に30代以上の女性たちの好感度が高くなれば、ドラマやCMの仕事も増えて、ギャラも上がっていくでしょうね」

 波に乗って、役者として本格的なブレイクとなるのか。まずは「グッド・ドクター」の行方を見守っていきたいところだ。(ライター・黒崎さとし)