阪神電鉄社員の「日替りランチ放浪記」の本気度 3000軒以上食べ歩いた男の矜持 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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阪神電鉄社員の「日替りランチ放浪記」の本気度 3000軒以上食べ歩いた男の矜持

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南文枝dot.
はしをつける前にスマートフォンで撮影。スムーズだ

はしをつける前にスマートフォンで撮影。スムーズだ

この日のランチは「豚ネギ天丼」。器を手ににっこり

この日のランチは「豚ネギ天丼」。器を手ににっこり

ランチは誰かと食べに行くことが多い。メンバーは曜日ごとに変わる

ランチは誰かと食べに行くことが多い。メンバーは曜日ごとに変わる

この日のランチの模様をつづったブログ。書くのは帰宅後が多いとか(「阪神ナウ!」より)

この日のランチの模様をつづったブログ。書くのは帰宅後が多いとか(「阪神ナウ!」より)

2018年6月1日に復活した阪神梅田本店のスナックパーク。「早い、安い、うまい」の注目スポットだ

2018年6月1日に復活した阪神梅田本店のスナックパーク。「早い、安い、うまい」の注目スポットだ

 ビーッ。2018年6月11日正午。大阪市福島区にある阪神電気鉄道(本社・大阪市福島区)のグループ会社、阪神ステーションネットで、昼休みの始まりを告げるチャイムが鳴った。同社の開発営業部長、平尾正さん(46)のランチタイムの始まりだ。

【写真】この日のランチは「豚ネギ天丼」

 この日のランチメンバーは、平尾さんを入れて5人。最近は、曜日ごとにメンバーが入れ替わるという。同社が入るビルの5階から階段を下り、阪神電鉄野田駅へ。電車に乗って梅田へ向かう。お目当ては、第1期の建て替え工事を終え、6月1日に約3年の時を経て復活した“立ち食いの聖地”、阪神梅田本店(大阪市北区)の地下フードコート「スナックパーク」だ。

 実は平尾さん、昼休みを利用して毎日違う沿線の飲食店を食べ歩き、その様子を阪神電鉄が運営する沿線情報サイト「阪神ナウ!」に書き続けている。この13年間で訪ねた店は3000店以上。どうしてそんなに続けられるのか? 平尾さんのランチに同行し、偉業(?) 達成の裏側を探った。

 梅田駅の改札口を出ると、人ごみの中、足早に目的地を目指す。制限時間は昼休みの60分。もたもたしている暇はないのだ。スナックパークは、「早い、安い、うまい」をコンセプトに名物のいか焼きやラーメン、焼き肉専門店、魚屋など13店がそろう立ち食いのフードコート。営業再開以来、土日は入場制限するほどの人気ぶりで、この日もあちこちの店で長い行列ができていた。

 平尾さんたちは天ぷら店「天ぷらの山」の行列に並ぶ。女性社員を先に並ばせ、自分は一番後ろへ。待っている間に、店頭にあった見本をスマートフォンで撮影。動きに無駄がない。10分ほど並んだだろうか。「豚ネギ天丼」(税込500円)を注文して受け取り、先に食べ始めていたメンバーたちと合流した。

 カウンターに豚ネギ天丼を置き、スマホで写真を撮ってからはしをつける。そこからは早い。他のメンバーがどよめくほどの速さではしが進む。数分で完食し、食器を片付けて帰路につく。この時点で午後0時半過ぎ。電車で野田まで戻り、午後0時49分に会社に到着した。「今日は余裕がありましたね。味わって食べられました」と、平尾さんは満足そう。

 翌日、「阪神ナウ!」トップページの検索ボックスにブログ名「日替りランチ放浪記」と入力して検索すると、平尾さんのブログにたどり着いた。さっそくこの日のランチの模様がアップされていた。

 もともとは、個人のホームページでお昼に食べたものを記録していたという平尾さん。そのことを知っていた上司から、2005年、「阪神ナウ!」が開設される際に、ブログを書くよう依頼された。それ以来、ずっとブログ「日替りランチ放浪記」に、日々のランチの様子をつづっている。「一度行ったお店には行かない」がルールだが、あらかじめ店を決めておくことはほとんどない。梅田や福島、野田、尼崎など同社の沿線を中心に訪れた店は、18年3月末で3000店に達した。

 平尾さんのブログを読むと、60分というたいていの働く人に共通の制限時間があるためか、共感することが多い。料理がなかなか出てこずにやきもきしたり、注文した料理と違ったものが出てきたり……。毎日違う店に行くこともあり、なかなかスリリングな展開なのだ。


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