だから日本の男性は若い女の子が好きなんじゃないかな!?
だから日本の男性は若い女の子が好きなんじゃないかな!?
発売からロングセラーの『エリア別だから流れがつながる 世界史』に4種類の特装版が誕生。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の安彦良和、『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリ、『海のオーロラ』の里中満智子、『岳-みんなの山―』『BLUE GIANT』の石塚真一が描き下ろし。紀伊國屋書店新宿本店では、入口ワゴンで通常版含め、5種すべて展開している
発売からロングセラーの『エリア別だから流れがつながる 世界史』に4種類の特装版が誕生。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の安彦良和、『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリ、『海のオーロラ』の里中満智子、『岳-みんなの山―』『BLUE GIANT』の石塚真一が描き下ろし。紀伊國屋書店新宿本店では、入口ワゴンで通常版含め、5種すべて展開している
特装カバーはすべてリバーシブル! 裏面は描き下ろしコラムやインタビューを掲載。ヤマザキマリ編は、ヨーロッパの歴史100問100答インタビュー
特装カバーはすべてリバーシブル! 裏面は描き下ろしコラムやインタビューを掲載。ヤマザキマリ編は、ヨーロッパの歴史100問100答インタビュー

「ポルトガルに住んでいた頃のこと。近所に近代的な文房具屋ができたんだけれど、誰も行かなくてつぶれちゃった。代わりに昔からある古い店が繁盛してるんです。新しい店が信用されないんですね」

【4種類の描き下ろしのカバー表紙や裏表紙はこちら】

 そう語るのは、漫画家のヤマザキマリさん。ヤマザキさんは大ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』の作者。その作品は、油絵専攻らしい確かな画力と、歴史についての該博な知識が高く評価されている。そんなヤマザキさんに、累計8万部突破『エリア別だから流れがつながる 世界史』の特装版の装画を依頼。カバー表にマリ=アントワネットとカエサルを描いてもらい、カバー裏は外国暮らしで感じる「日欧の文化の違い」や「歴史」に関するインタビューを掲載。

 今回は、カバー裏に掲載しきれなかったお話をご紹介する。

*  *  *

「ヨーロッパに住んでいると歴史的な事件が、まるで最近の出来事のように感じられます。例えば、16世紀末にキリシタンの少年たちが日本からローマへ派遣された天正遣欧使節団。彼らの通過した国々に住んでいた頃、その痕跡を至る所で感じました。地元の小さな教会を訪ねたとき、壁に彼らの姿が描かれていたり、『あんた日本人かい? 以前ここに日本人が来てあのオルガンを弾いたんだよ』と話しかけられて、よくよく確認すると使節団のことだったり。そういうなかで暮らして、築500~600年の家に住んでいると、歴史に組み込まれているのが当たり前で、特別なことだとは全く感じなくなるんです」

 そんなヤマザキさんが一番感動したのは、レバノンのバールベックやシリアのパルミラなど、地中海東部の古代ローマ遺跡を初めて見たときだそう。

「とても壮麗で、しかも、最盛期の様子が想像できる状態で残っているんですね。それでいて、遊牧民が住みついていて、洗濯物を干していたりするんです。『おれの家になぜ来た?』と言われましたよ。彼らはそこを長年、普通に住居としてきたんですよね。歴史性がそんなふうに感じられる点も素晴らしい。パルミラはその後、シリア内戦で破壊されてしまいましたが……」

 古代ローマは建築のレベルだけでなく、生活水準も高かった。浴場が整備され人々に利用されていたようすは『テルマエ・ロマエ』にも詳しく描かれている。が、ヤマザキさんが古代ローマに引かれるのは「食いしん坊だから」でもあるとのこと。

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