中道被告は、法廷で脱税したことは認めた。しかし、大阪国税局がなぜ中道被告が高額な払い戻しを受けたことを知ったのか、と疑問視。

 大阪国税局が、別の脱税事案で銀行を任意調査した際、「別の情報を盗み見て、偶然、中道被告の高額な払い戻しを発見して、資料を持ち帰った。中道被告は、高額な払い戻しは家族など誰にも知らせておらず、違法収集証拠で無罪だ」と主張した。

 いわゆる、マルサの「横目調査」と言われる手法を問題視したのだ。

 判決では、「大阪国税局の担当者の、別の脱税事案の捜査との関連性があったという主張は信用できない。だが、銀行の了解があり、調査している。違法の程度は重大とは言えない」と中道被告の主張を退けた。

 そして中道被告にこうも断罪した。

「被告は寝屋川市役所で課税担当部門におり、納税者の模範となるべき立場。批判は免れない」

「的中馬券の払い戻しを受け、具体的に計算し、納税義務が確定的に生じることを認識していた」

 だが、すでに脱税した金額については、納税を完了させていることが情状となり、執行猶予判決となった中道被告。公務員の職は失わずに、すみそうだ。(AERA dot.編集部取材班)