佐川氏が国税庁長官に“栄転”したのに対し、もう一方の当事者である籠池泰典・前森友学園理事長は昨年7月末に逮捕され、窓なしの独房に勾留されたままだ。しかも、家族との接見も禁止、手紙のやり取りも弁護士を通じてしかできない。そのなか、今月に入って籠池氏の自宅が強制的に競売にかけられることがわかった。

 森友学園の関係者はこう話す。

「本人がいない間に競売してしまえばトラブルもおきないだろうという当局の思いが透けてみえる。一方は逮捕され、権力にいた側は守られる、あまりに不公平だ。籠池氏への口封じのために、検察も政治に配慮しているようにしか思えない。佐川氏や財務省の説明はすでに破綻している。佐川氏と昭恵夫人は国会で説明すべきだ」

 東京では、3月3日に次のデモも計画されている。安倍政権と佐川長官への包囲網は、日を増すごとに強くなっている。(AERA dot.編集部・西岡千史)