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元SEALDsの諏訪原健「安倍政権の働き方改革の議論への違和感」

連載「20代の処方箋」

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諏訪原健(すわはら・たけし)/1992年、鹿児島県鹿屋市出身。筑波大学教育学類を経て、現在は筑波大学大学院人間総合科学研究科に在籍。専攻は教育社会学。2014年、SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)に参加したことをきっかけに政治的な活動に関わるようになる。2015年にはSEALDsのメンバーとして活動した

諏訪原健(すわはら・たけし)/1992年、鹿児島県鹿屋市出身。筑波大学教育学類を経て、現在は筑波大学大学院人間総合科学研究科に在籍。専攻は教育社会学。2014年、SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)に参加したことをきっかけに政治的な活動に関わるようになる。2015年にはSEALDsのメンバーとして活動した

衆院本会議で施政方針演説をする安倍晋三首相 (c)朝日新聞社

衆院本会議で施政方針演説をする安倍晋三首相 (c)朝日新聞社

 衆院本会議で1月22日、施政方針演説を行った安倍晋三首相は、「同一労働同一賃金」の実現や長時間労働の是正など「働き方改革」を進めるため、関連法案の早期成立を目指す考えを表明した。SEALDsの元メンバーだった諏訪原健さんは、バブル世代の男性国会議員が大勢を占める国会での議論のあり方に違和感を覚えるという。

*  *  *
 いつ頃からなのかはわからないが、安定した仕事に就いて、お金を稼ぐ道を選ぶことは、わざわざ意識もしないくらいに、自分の中で当たり前になっていた。むしろ生きていくということは、どこかに就職することと、切り離して考えることはできなかった。

 だからこそ、学校の成績や内申点、あるいは周りからどう思われるかも含めて、自分がどう評価されるかということばかり気にしていた。少し箍(たが)が外れ始めたのは、高校生の頃で、生徒会活動の中で頭髪服装検査に異議を申し立てたこともあった。しかし、それも評価されるということを頭の片隅に置きながら、「正統」な方法で最大限に主張しようとした結果だった。そういう意味では、就職に向けた長い長い選抜システムに適応する形で、自らの行動を選んでいた。

 大学に入っても、基本的にその行動様式は変わらなかった。大学3年の時、特定秘密保護法をきっかけに社会運動に関わり始めたが、その少し前までは大企業でインターンをしており、就職のことは常に重要課題として頭の中にあった。今になって考えると、自分は、「安定した仕事に就いて、お金を稼ぐ」ということに、呪縛といっても良いくらいに囚われていた。

 もしかすると、このような考えは、別に特別なものではないのかもしれない。働く、そして生きるために、社会に適応することを最優先に考えている人は、この社会には多くいるように感じる。一個人として、そのような生存戦略をとるのは、とても合理的なのかもしれない。その一方で、「安定した仕事に就いて、お金を稼ぐ」ことが望ましいとする価値観が、今後も当然のように再生産されていくことには危機感もある。

 これからの社会を考えてみると、「安定した仕事に就いて、お金を稼ぐ」なんていう働き方は、当たり前ではなくなるはずだ。いや既に当たり前ではなくなってきている。しかも戦後復興期でもなければ、人口増加も臨めない今の社会では、かつてのような劇的な経済成長を再び達成できるとは思えない。社会がどんどん定常型になるとすれば、「安定した仕事に就いて、お金を稼ぐ」というのは、今よりもさらに難しくなる。



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