「もともと関西では爆発的に認知度を誇っていたが、最近少しずつ東京でも露出が増えて来ているのは、関西の番組で準レギュラーだったものが外れて東京での仕事のスケジュールを入れられるようになったのが要因ではないでしょうか。制作陣の思惑を無視してタブーなネタに切り込むので、キー局では生放送は難しいですが、収録番組が多いプライムタイムのバラエティーにはうまくハマっていると思います」

 もちろん“バックヤード”での人気は高い。

「くっきーさんは、裏でもめちゃくちゃ優しくて、スタッフでも大好きな人が多いです。そうした楽屋でのコミュニケーション力の高さがテレビでも生かされるようになってきたのかもしれません。あと、最近はかまいたちさんにしても東京03さんにしても、笑いだけじゃなくてちょっと怖い部分を残すネタのほうが笑いが取れるようになってきている。くっきーさんの耽美だったり、ときに暴力的な世界観も同じで、怖いもの見たさが、視聴者の胸に残っているのかもしれません」(前出の放送作家)
 
 実はくっきーはイラストレーターでもある。自身でソフビ人形を作るなどカルチャー方面での才能も発揮させている。昨年はお笑いライブではなく、アート作品の個展「超くっきーランド」も開催し、好評だったようだ。「グッズもめちゃくちゃ売れているみたいです」(前出のディレクター)とのこと。ある程度ベテランの芸人でさえ、明日にはその席がなくなっているかもしれないテレビの世界で、クッキーのように独自の世界で切り開いていけば、そう簡単にその座が揺るぐこともないだろう。

 新たなお笑いブームが到来しそうな2018年は、彼のような独自性を持ったタブーな芸人がテレビを席巻するかもしれない。(ライター・黒崎さとし)