「Is it a verb?」(これは動詞として使うの?)

「Verb.」(動詞だね)

「For example, please.」(例えば?)

「I fucked up!」(やっちまった!)

「Other please.」(ほかには?)

「“You're fucking beautiful”. This word can be used a lot.」(「すげえキレイだ」。この単語は何にでも使えるのさ)」

「It is convenient.」(便利だね)

 ののしる表現以外にも強調や感情の高ぶりなんかを表現する言葉としても使えることがわかった。だが、教科書で英語を学んできた日本人としては、法則性など基本的なルールを知りたくなる。特に私が気になるのは使うタイミングだが、これはなかなかの難易度である。下手な場所で使ったら非常識の烙印を押されてしまうであろうことは容易に想像がつくからだ。

「When can I use it? I have no idea.」(どういうときに使うのか。それがわからないんだけど)

「Just feeling.」(ノリかな)

 語学を習得していくうえで、単に文法や単語だけではなく、文化や国民性といった肌で触れないとわからないことも重要な要素となる。特に肌感覚のようなものは、英語を母国語とする人ならば、育ってくる環境で自然と身に着けてくるもの。それを教えろといっても難しいだろう。実際、誰に聞いても規則的な使い方は教えてもらえなかった。親切な知人からは「男性的な強調のため」だとか、「言葉のノリや相手との関係性もあるから」と、さらに高難度な返事をもらってしまった。

 ちなみに、Fワードと同じように使い方がわからない言葉がある。それが、「What's up, man?」など、文末に付く「Man」である。こちらは、文法的には説明することがFワードより、さらに難しいようで、語尾につけるという以外に明確な使い方を説明できる人はいなかった。

 とはいえ、せっかく習ったので、いざストリートで軽く実践してみたのだが……。

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