23歳という若さの彼女は、今、お芝居と真摯に向き合っている。仁村さんは、CMでもダンスを披露していた通り、子どもの頃から踊りを始めた。

「きっかけは、お父さんです。お父さんは20歳位からダンスを始めたんですが、教えてくれる先生が近所にいたんです。それで、その先生にダンスを教わりに行ったのが、ダンスとの出会いです」

 先生のダンスは「ポッピン」というアメリカ発祥のダンス。筋肉を弾くと言う意味POP(ポップ)が名前の由来で、ヒットやウェーブなどの動きが特徴的で、ヒップホップの元にもなっている。

「子どもがいきなり始めるには、なかなかハードルの高いダンスでした。しかも、最初はずっと筋肉を弾く動きを延々と練習していたんですよ。でも、これが出来るようになると楽しいんですよ」

 言葉だけでは、いまいちイメージがわかない記者に対し、目の前で踊りを生披露し、説明してくれた。

「この筋肉を弾くイメージ伝わりますかね?」

と言いながら、体をくねらせ何度も関節を瞬間的に弾いていく動作。そして手足が長い。記者は177センチでボクシング経験もあり、リーチが長いと言われていたが、仁村さんと腕の長さを比べると、ほぼ同じ。仁村さんの長い手足と弾ける筋肉が共作し、魅了されてしまった。

「めっちゃ、踊っちゃいましたね。でもハマるとかっこいいんですよ」

 踊ることが趣味だという仁村さんは、地元の事を思い出したのか、大阪弁になっていた。今でも地元の大阪に帰った時や、逆にお父さんが上京してきた際は、二人でディスコに行き一緒に踊るという。

「お父さんは、55歳なのに若くて元気。友達のような存在で、何でも喋れる相手です」

 世の中の娘を持つ父にとっては、実に羨ましい関係だ。

 今後は、映画の仕事に力を入れていきたいと意気込む仁村さん。その魅力をこう語ってくれた。

「一つの作品として、タイトル、主題歌があって、物語がある。モノを皆で作り上げていく作業が大好きなんです」

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