【攻撃的MF】

1位:中村憲剛(川崎フロンターレ)

 文句無しの1位だろう。6得点11アシストという輝かしい記録もさることながら、本当に勝負を決定付けるゴールやアシストが多く、1つ前のパスでゴールを演出するシーンも少なくなかった。またチームのことを考えた発言が多く、伸び盛りの若手選手にあえて厳しいコメントを歯に衣着せず発するなど、仲間のポテンシャルを信頼しているがゆえの発言も。“中村憲剛のチーム”ではなく“中村憲剛を活かせるチーム”への成長は後半戦のパフォーマンスに表れている。

2位:川辺駿(ジュビロ磐田)

 中村憲剛が川崎を引っ張り支える存在であれば、22歳の川辺は名波浩監督、中村俊輔という偉大な先輩に引っ張られ、支えられて大きく成長した存在と言えるかもしれない。絶妙なスルーパスを武器としていたテクニシャンはハードワークと視野の広さに磨きをかけ、迫力あるスプリントから正確なファーストタッチでミドルシュートに持ち込んだかと思えば、激しいプレッシングで相手MFからボールを奪い取るなど、力強さは着実にアップしている。更に安定感が加わればA代表入りも見えてきそうだ。そのための挑戦の場所は、来シーズンからの復帰が決まっている古巣の広島になる。

3位:阿部浩之(川崎フロンターレ)

 風間体制から鬼木達監督に替わったとはいえ川崎のスタイルに序盤戦のうちにフィットし、特に第8節から10試合で8得点を記録した活躍はACLと並行しながらJ1を戦っていた川崎を押し上げた。ワイドな位置から狙う正確なミドルシュートはもちろん素晴らしいが、5‐0と大勝した第17節の神戸戦で口火を切る先制点をもたらしたコンビネーションからのゴールはイメージを共有する川崎の攻撃を象徴するものだった。大島のパスを起点に中村、小林とつなぐ間にスペースに入り込んだ形だが、起点の時点でゴールへのイメージが浮かんでいたはずだ。ただ残念ながら怪我で離脱した期間があり3位としておく。

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