その後、中学、高校と進んでもダンスを続け、高校での文化祭では大人数の前で初披露した。それが予想上に、大反響。

「僕のダンスで、こんなに皆が盛り上がってくれるんだって、すごい気持ちよかったんですよね。それで、自分は人前で表現する仕事をしようって決めました」

■梅沢富美男のスパルタ教育

 それを契機に、芸能界を目指し、あの梅沢富美男劇団の門を叩くことになる。

<実は化粧や和服が嫌いなんです!>

 22歳で、梅沢富美男率いる日本屈指の大衆演劇一座、「梅沢富美男劇団」に入団する。

「入ったはいいんでけど、実は化粧が嫌いで嫌いで。あと、着物も好きじゃないんですよ。いやこれを言うと、矛盾しているようなんですけど(笑)。それでも劇団では、まずメイクを覚えないといけないので、楽屋で6、7時間メイクの練習をしていましたね。あれは、きつかったです」

 意外にも、化粧には苦戦していたというコウメさん。しかし、踊りとなれば話は別であった。

「当時の座長は、富美男さんのお兄さんの武生さんだったんですが、ある時、『即興で、何か踊ってみろ』と言われたんです。それで、無我夢中で踊ったら、『お前、いける』って言われて、それでいきなり富美男さんの横で踊ることになったんです」

 まさかの大抜擢に信じられなかったという。そしてこの時に、初めて自分の踊りでお金を頂いたといい、自らのパフォーマンスで、一生食べていきたいと決意した。しかし、スタートこそは順調にいったが、新しい振付はなかなか覚えられなかったという。

「富美男さんは、当然ですが、芸事にはこと厳しかったので、振付が少しでも出来ていないと、舞台直前でも降板させられました」

 スタートは順調だったものの、次第に演劇の壁にぶつかり始め、無我夢中でもがき続けた3年間。その後、子供のころからの夢であったお笑い芸人を目指すために、同劇団を退団することになる。

 ちなみに、退団の理由は、「大学受験を受けるため」と伝えたという。

「さすがに、富美男さんに怒られると思ったんでね。でももう、解禁ですよね」

<毎日、チクショー!!>

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