まだ現役を続けている選手ではあるが、FC東京の平山相太もまた、プロとしてのキャリアの始め方が大きな話題になった。国見高校で出場した高校選手権で2年連続得点王という快挙を成し遂げたが、進路はプロ入りではなく筑波大学だった。その1年時にアテネ五輪にも出場しているが、翌年に休学してオランダのヘラクレスへ加入。Jリーグを経ることなく欧州へ旅立った。しかし、2シーズンで退団すると、その間に筑波大を退学していたため、FC東京へ加入。11シーズンプレーしたが中心選手になり切れず、今季に仙台へ移籍している。プロ入り前の注目度から考えれば、順風満帆なプロキャリアとは言いづらい。

 また、現在も海外にいる選手としては宮市亮の名前も挙がる。圧倒的なスピードを武器に持つ彼は、中京大中京高校を卒業すると、イングランドの名門アーセナルと契約。加入後はオランダのフェイエノールトに期限付き移籍すると活躍を見せた。しかし、アーセナルでは出場機会を得られず、次々に期限付き移籍でチームを渡り歩くことになり、そこでは右足首靭帯損傷、左膝前十字靭帯断裂、右膝前十字靭帯断裂と、負傷と長期離脱を繰り返している。まだ24歳と若い宮市だが、負傷に打ち勝ってキャリアを形成できるのかの岐路に立たされ続けている。

 年末には、高校サッカー選手権の全国大会も開幕する。各クラブのユースや高校、大学から大きな期待を背負ってプロの門をたたく選手たちが生まれてくるが、大きな期待はプレッシャーの裏返しでもある。熾烈な競争の世界で、どれだけの選手が生き残っていけるだろうか。