「どうせヤンキースかドジャースと契約するよ」

 14日のヤンキース対オリオールズ戦前、オリオールズのダン・デュケットGMにコメントを求めると、冗談めかした口調でそうかわされてしまった。これはジョークであることは明白。従来なら確かに東西の金満チームが有利だったはずだが、現行ルールでは大谷と安価での契約が可能なだけに、金銭的な事情で弾き出されるチームはひとつもない。これほどの才能、スター性を秘め、それでいてバーゲン価格の選手を欲しくないチームがあるはずもなく、獲得競争はまだまだこれから、というのが本当のところに違いない。

 ともあれ、現時点で言えるのは、“全米が熱視線”といった、日本人のメジャー挑戦時によく使われる表現が大谷に関しては大げさではないということ。そして、フィーバーは始まったばかり。今後さらに多くの情報が紹介されるとともに、“オータニ”の米国での知名度は上がっていく。狂想曲は所属チーム決定まで、いや恐らくはその後も途切れることなく、ひたすらボルテージを上げ続けていくのだろう。(文・杉浦大介)