6年間パンダを撮影し続けた男性が心奪われた“究極の寝姿” 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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6年間パンダを撮影し続けた男性が心奪われた“究極の寝姿”

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高氏貴博dot.#朝日新聞出版の本

生後70日を迎え、9回目の身体検査を受ける東京・上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん(東京動物園協会提供)

生後70日を迎え、9回目の身体検査を受ける東京・上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん(東京動物園協会提供)

 東京・上野動物園で、6月に生まれたジャイアントパンダの赤ちゃん。8月10日に締め切られた名前の募集には32万2581件の応募があったという人気ぶりだ。そんなパンダを見るだけのために、雨の日も雪の日も6年間、毎日上野動物園に通い続け、愛くるしい様子をブログ「毎日パンダ」で報告し続けているのが高氏貴博さんだ。「みんなの漢字」9月号から、その思いをご紹介します。

【写真】悶絶!パンダ“究極の寝相”5ショット

*  *  *
 きっかけは6年前のことでした。時間つぶしに入った東京・上野動物園で初めて目にした、シンシンのまあるい後ろ姿。「なんだ、この動物は!」と驚いて、まずは1カ月間、毎日観察することに。すると、当初の予想以上に2頭の外見や性格の違いが把握できて、そこから一気に面白くなりました。

 特に、パンダの寝姿は"ゆるさ"の極みです。油断しきっているところも好きですし、常にファインダー越しの2頭に感情移入をしています。

 ただ、これだけ見ていても、まだまだ、「なんでだろう?」と思うことがあります。例えば、子孫繁栄について。雌が年に一度発情するかどうかも分からないのに、基本的に単独行動で、発情期の数日間に性格の合う雄雌が出会う確率は非常に低い。妊娠したかと思ったら偽妊娠だったり、赤ちゃんができても多くて2頭。胎児のような小さい赤ちゃんは生存率が高くはない。繁殖に適しているとはいいにくく、ここまで動物の摂理に反するのは、なぜだろうと。和歌山のアドベンチャーワールドもそうですが、今回貴重な動物が自然交配で生まれたというのは、世界的にみても奇跡的なことなんです。

 あとは、やはりデザインに尽きます。雪山で背景に擬態するにしては目立ちすぎる。どうしてあのようなユニークな白黒を取り入れたのか、考えれば考えるほど面白い。

 中国の「生きた国宝」ともいえる奇跡の珍獣に、上野の場合は駅から徒歩5分で、春夏秋冬それぞれに非日常のゆっくりとした空間を味わいながら会える。さらに、大好きなパンダのかわいい姿を、ブログを通して世界中の人たちと共有できるのはうれしい限りです。 

 結局は、私自身がパンダに癒やされたいんですね。「こんなにかわいい写真が撮れたよ、みんなで癒やされようよ」という気持ちで、今後も追い続けていきます。(文/高氏貴博)

高氏貴博(たかうじ・たかひろ)/1978年、埼玉県生まれ。グラフィックデザイナー。日本パンダ保護協会会員。2011年8月から東京・上野動物園に毎日通い、2頭のジャイアントパンダを撮影。その様子を、休まずに更新する自身のブログ「毎日パンダ」で報告している


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