日本代表・ハリルホジッチ監督(写真:getty Images)
日本代表・ハリルホジッチ監督(写真:getty Images)

 2018年のロシアワールドカップ・アジア最終予選も残すところ2試合。ハリルホジッチ率いる日本代表は8月31日のオーストラリア戦か9月5日のサウジアラビア戦のどちらかに勝てば無条件で本大会出場が決まる。サウジアラビア戦は前回のイラク戦を上回る酷暑と完全アウェーの環境が予想されるだけに、何とかホームのオーストラリア戦で決めてしまいたいというのは指揮官や選手のみならず、多くの代表サポーターもイメージできるところではないか。

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 勝つためには得点を取らなければならない。そのため、主力にけがやコンディションの不安が出ている前線や中盤の話題が多くなるのは当然だが、ヨーロッパの各リーグでも活躍する超アジア級のアタッカーを揃えるオーストラリアに対し、失点のリスクが常に隣り合わせの状況で試合をコントロールしなければならない。そして周知の通り、リードして終盤を迎えてもティム・ケーヒル(メルボルン・シティ/オーストラリア)いう強力なジョーカーの投入が想定されるだけに、最後までギリギリの戦いを強いられるはずだ。

 オーストラリアは6月にロシアで行われたコンフェデレーションズカップで3-4-3のシステムを採用したが、日本戦の布陣はわからない。ただバックラインの枚数がどうなるにしても、前線の構成は大きくは変わらない。オーストラリアは中盤でのショートパスを中心に攻撃を組み立てるが、タイミングを見て一気に仕掛けのギアを上げてくる。その明確な基準点となるトミ・ユーリッチ(ルツェルン/スイス)は190cmの長身で、ハイボールでの強さはもちろん、グラウンダーのクサビパスを収めるキープ力にも優れる。

 この長身FWをウイングとシャドーの中間的な位置からサポートし、時に鋭い飛び出しからゴールを狙うのがトム・ロギッチ(セルティック/スコットランド)とロビー・クルーズ(ボーフム/ドイツ2部)だ。189cmのロギッチはコンフェデレーションズカップでドイツを相手に得点を記録し、体格に似合わない柔軟さに定評がある。一方、180cmのクルーズは一瞬のスピードに特徴がある選手だ。クルーズは何度も不運なけがに泣かされている苦労人だが、コンディションが良好なら昨年までドイツ屈指の名門レーバークーゼンでプレーしていたように、その実力は折り紙つきだ。

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