優勝争いの本命は昨季王者の鹿島か(写真:getty Images)
優勝争いの本命は昨季王者の鹿島か(写真:getty Images)

 鬼が笑う、J1順位予想――。いや、己の目が節穴と言うべきだろう。とにかく、開幕前に立てた我が予想は18節終了時点において、惨憺たる状態にある。

1位・鹿島(→2位)
2位・浦和(→8位)
3位・広島(→17位:降格圏内)
4位・FC東京(→10位)

 未知数のポテンシャルを買ったFC東京の乱高下は覚悟の上も、浦和の失速と広島の不振は想定外だった。浦和は守備に亀裂が生じ、広島は前線の決め手不足に苦しんでいる。だが、それ以上に深刻なのは一度、歯車が狂いだすと、簡単には止まらない負の連鎖だろう。長期政権が陥りやすいマンネリズムの歪みか。

 逆に際立つのが新政権の正の連鎖だろう。うまく転がると、自信が深まり、さらに勢いを増す好循環。C大阪と鹿島のトップ2がそうだ。前者は尹晶煥を、後者は大岩剛(途中就任)を新監督に据えて勢いに乗っている。互いに攻守の切れ目がなく、手際もいい。また、勝敗を大きく左右するセットプレーの攻防にめっぽう強く、安定した強さを誇る一因となっている。

 さらに、C大阪は杉本健勇と山村和也、鹿島は金崎夢生とペドロ・ジュニオールと二門の大砲をそろえ、決め手にも困らない。先手必勝は鹿島のお家芸だが、C大阪も終盤に山村を最後尾に下げて逃げを打つ尹采配が奏功し、負け数(2)がJ1最少というのも納得がいく。死角が少ないという意味でも、この両軍が覇権争いの中心だろう。

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