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古賀茂明 加計学園選定に「一点の曇りもない」という民間有識者のしたたかさ

連載「政官財の罪と罰」

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著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。主著『日本中枢の崩壊』『日本中枢の狂謀』(講談社)など。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。主著『日本中枢の崩壊』『日本中枢の狂謀』(講談社)など。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

 加計学園問題で一躍注目を浴びることになった国家戦略特区諮問会議とその下にあるワーキンググループ(WG)。諮問会議の議長は安倍晋三総理だが、民間議員やWG委員には、竹中平蔵氏をはじめ、小泉純一郎内閣の時から自民党政権のブレーンを務めているバリバリの政策通が名前を連ねている。

 加計学園獣医学部の新設が認められた経緯を見ると、疑惑だらけと言っても良い状況だ。加計孝太郎理事長と安倍総理、萩生田光一官房副長官、下村博文元文部科学相、さらには安倍昭恵夫人まで、おなじみ安倍ファミリーとの癒着ぶりは目に余る。さらに、文科省の問題文書を「怪文書」と切り捨てて隠ぺいしようとした事実。安倍総理が閉会中審査から逃げ回る姿。もう、ここまで見せつけられれば、どんなにお人よしでも、「これで何もないなんてありえない!」と考えるだろう。

 世論の勝負は、証拠があるかどうかではない。普通の人がどう思うかで決まる。これまでは、マスコミを抑え込んでいたので、本来なら負けるはずの状況でも、何とか時間稼ぎをしているうちにうやむやにできたが、今回は、東京新聞の望月衣塑子記者効果で、ついにマスコミ封じもできなくなった。そう考えると、安倍政権側にはほとんど勝ち目はない状況だ。

 一方、こんなに不利な状況なのに、なぜか、諮問会議の民間有識者たちは、わざわざ記者会見までして、自信たっぷりに加計学園の獣医学部新設を認めたことについて、「一点の曇りもない」と胸を張った。賢明な人たちの行動としては、いかにも解せないという印象だ。

 私は、ここに名を連ねる多くの人たちと規制改革や公務員改革などの関係で一緒に仕事をしたことがある。彼らは、一部を除けば、おおむねまじめな仕事師である。ほとんどの人は、私腹を肥やそうとか、政治家に取り入ろうなどという邪心を持つような人ではなかった。

●民間議員の既得権層への敵意

 彼ら民間議員の多くは、長年、政官財の癒着の構造にメスを入れ、既得権と闘ってきた人たちだ。彼らが、こうした既得権層に対して持っている敵意というものは、並大抵ではない。なぜなら、戦いの過程で、例えて言えば、後ろから切りつけられたり、闇討ちにあったりというひどい目にあわされてきたという思いがある。時には個人攻撃されることもあった。


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