ソフトバンク戦のカギを握る東北楽天・岸孝之(左)と則本昂大(c)朝日新聞社
ソフトバンク戦のカギを握る東北楽天・岸孝之(左)と則本昂大(c)朝日新聞社

 前半戦最後の天王山、ゲーム差0.5の首位・楽天と2位・ソフトバンクの直接対決が7月11、12日にヤフオクドームで行われる。

 2013年以来のリーグ優勝を目指す楽天にとって、極めて重要な2試合だ。梨田昌孝監督は先発ローテーションをずらし、2枚看板の則本昂大と岸孝之をぶつけることが濃厚と見られる。

 一方、ソフトバンクの先発として予想されるのは、4勝2敗と売り出し中の石川柊太と、右肩炎症から復帰した過去2戦ともに5回持たずに降板している武田翔太。

 6月30日からの3連戦がすべて1点差で決着したように、両チームの力が均衡しているなか、今回のポイントはヤフオクドームで行われることだ。この球場には2015年からホームランテラス(ラッキーゾーン)が設置され、両翼100メートル、中堅122メートル、左・右中間約110メートルと東京ドームと同じくらいの大きさになった。本塁打の出やすい「バッターズパーク」であり、楽天投手陣がいかにソフトバンク打線を封じ込めるかが見どころになる。

「左バッターのインコースに行かないと抑えられない、という話を試合前にしていました」

 6月24日、敵地でソフトバンクを下した後、西武の捕手・岡田雅利はそう振り返った。この試合では6月の月間MVPに輝いた十亀剣が先発し、6回2失点と好投を見せている。

 ポイントは、前日に3本塁打を放った柳田悠岐の第1打席だった。十亀は初球から内角にストレート、スライダー、ストレートと3球続けて突っ込み、外にスライダーとカーブを見せた後、内角にスライダーを2球続けて空振り三振に打ち取った。この配球が後に生きたと岡田は話している。

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