その沙也加は5月に俳優の村田充と結婚したが、ハワイ挙式にも、都内のパーティーにも、聖子は現れず。ある記者が聖子の母に直撃すると、「二人は実の親子だから大丈夫」と答えたというが、実の母娘の確執ほど厄介なものはない。ある女性誌記者は分析する。

「充さんは正統派ハンサム好みの聖子のタイプと違う。聖子は若い頃から頑固だし、孫が生まれても抱かず、沙也加も抱かせない。そんなことまでファンは妄想して『うちも娘と仲悪いけど同じ』なんて共感する人もいそう。そして、歌声はずっと娘以上でいてほしい、と願うファンも多いのではないかと思います」

 6月から始まったツアーでも、聖子は娘の結婚話に一切触れず、歌を歌っているようだ。しかし、前述した通り、声の伸びはイマイチだという。

 一般に年を取ると声が変わるものなのか。声の専門外来を担当する順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学講座准教授の伊藤伸さんに聞いてみた。

「年齢とともに起こる変化について、女性の閉経前後、つまり更年期の声の変化は、女性ホルモンの低下の関与が示唆されています。その場合は声が“低くなることが多い”との報告があります。それ以降の老年期では、声帯の衰えが原因のことが多いようです」

 さらに、声の変化への(一般的な)対応について、伊藤さんはこう続ける。

「加齢による声の変化といっても、さまざまな現象が複雑に絡みあっている可能性があります。対処法を見つけるには、原因を探ることが重要です。まずは声の状態を詳しく評価してもらえるような専門機関の受診をお勧めします。一般の方では、日常生活に著しく支障を来す程、病的なことはまれだと思いますが」

 歌手の場合は、一般の人よりは喉を酷使しているので、異変が起こることもありえるかもしれない。でもよく使う分、労わってもいるだろう。聖子が“不思議”なのは、出なくなった声と反比例して、顔の「皺」が減ったこと。

 同世代のファンには「肌ツヤツヤで神って見える」わけだが、これ以上、声とルックスに差がでないことを祈る。還暦でも、伸びやかにフレッシュ~と歌い続けて欲しい。

 武器は顔ではなく、類まれな声質なのだから……。(文・藤村かおり)