ソフィア・コッポラ監督がカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した映画『The Beguiled』など4作品に出演したニコール・キッドマン
ソフィア・コッポラ監督がカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した映画『The Beguiled』など4作品に出演したニコール・キッドマン

 ハリウッド映画のトップ女優として君臨するニコール・キッドマン。過去に映画のキャストとして、審査員としてカンヌ映画祭に何度も参加しているが、今年はなんと4本の出演作をひっさげてカンヌ入りした。

 コンペ部門に入ったソフィア・コッポラ監督の『The Beguiled』でニコールは女子学園の校長を演じ、70回記念名誉賞を受賞した。

 記者会見でニコールは誇らしげにこう語った。

「今年はこうやってカンヌでソフィアはじめ4人の監督を援助できるのは嬉しい。カンヌで出演作を支援し、映画をより多くの人に知ってもらえればと思うから。というのもハリウッド大作以外は、プロモーションに多額の予算をとれない映画は多く、素晴らしくても人に気づかれずに消えていくことが多い。だからこそ、ここで映画を知ってもらう機会がもられるのは幸運だと思う。こうやって映画祭に来て、映画についてあなたたち記者と語り合うのは重要なことなのです」

映画はトーマス・P・カリナンの小説の映画化で、1971年ドン・シーガル監督が若きクリント・イーストウッドを起用して制作した映画『白い肌の異常な夜』が有名だ。

 コッポラ監督はリメイク、という言葉を避けて、原作の別解釈、という点を強調した。

 舞台は南北戦争時代の1863年米国ミシシッピ州。女性寄宿舎学校の近くで負傷した北軍の兵士が、寄宿舎の女性教師と生徒に救われるのだが、男子禁制なので、兵士は鍵をかけられた部屋で傷を癒す。閉ざされた環境の中で、一人の兵士をめぐり女性教師や女生徒の心は異和音を奏で始める、というドラマだ。

 同じくコンペに選ばれたギリシャの新鋭監督・ヨルゴス・ランティモスの新作『The Killing of A Sacred Dear』にも出演し、ニコールは成功した名医の妻役を演じた。

 また特別招待作として上映された『How to talk to the girls at parties』にもニコールは出演し、パンク・シーンの元女王として君臨する女性として登場する。ここでは70年代ロンドン・パンクのヘアーにメーキャップを決めたニコールがみられる。

次のページ