昨シーズン16勝をマークし、ドジャースの主力に定着した前田健太。(写真:Getty Images)
昨シーズン16勝をマークし、ドジャースの主力に定着した前田健太。(写真:Getty Images)

 現地時間4月4日、ドジャースの前田健太がパドレス戦で、マリナーズの岩隈久志がアストロズ戦でそれぞれ今季初先発のマウンドに立つ。

 昨季に16勝を挙げた主力投手同士。さらなる飛躍が期待される2017年の初マウンドで、彼らはどんなピッチングを見せてくれるか。この2人に関して何より楽しみなのは、所属チームの前評判がすこぶる良いことだ。

 過去4年連続でナ・リーグ西地区を制したドジャースは、今年もダントツの本命に挙げられている。エースのクレイトン・カーショウが大黒柱として君臨し、ブルペンでは昨季47セーブのケイリー・ジャンセンと再契約。野手にはエイドリアン・ゴンサレス、ジャスティン・ターナー、さらに昨季満票で新人王になったコリー・シーガーといったスター選手がずらりと揃う。

 リーグ最大の金満チームらしく、攻守両面で層の厚さが売り物。多少の故障者が出ても動じないだけに、スポーツ・イラストレイテッド誌が今季はドジャースが世界一になると予想したことも納得出来る(もっとも、同誌の優勝予想は当たらないというジンクスで有名ではあるが)。

 そんなチームの中で数少ない不安材料と言えるのが、カーショウ以降の先発2番手が絶対万全とは言えないことだ。昨季防御率2.12のリッチ・ヒルと再契約したが、この左腕も36歳だけに、1年を投げ切るスタミナに疑問が呈される。20歳の怪童ホアキン・ウリアスは才能を高く評価されるが、今季も投球回数制限が設けられるだろう。そういった状況下で、メジャー1年目の昨季はチーム1位の勝ち星、イニング、奪三振を稼いだ前田に注目が集まる。

 2年目でメジャーの水に慣れれば、昨季以上の安定感を発揮することも可能。2016年同様、今季も日本人メジャーリーガーの中で最後までプレーをする(=プレーオフで勝ち進む)可能性が最も高いのはこの前田だろう。楽しみな秋に向けて、春から“2年目のジンクス”を吹き飛ばすだけの投球内容で期待を持たせて欲しいところだ。

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