カギを握る選手としては、菅野智之(巨人)と菊池涼介(広島)の2人を挙げたい。前述した試合間隔に関して、先発投手は普段から慣れており無関係だ。前回登板した14日のキューバ戦では4回7安打4失点で降板したが、日本のエースと呼ばれる男ならばその反省を生かし、好投を演じ、借りを返してくれるはず。菅野が最低でも5回まで最少失点に抑えることができれば、その間に打撃陣は少なくとも球場の雰囲気には慣れてくる。千賀滉大(ソフトバンク)の抜擢も取り沙汰されているが、やはり先発投手が試合を作ることは普段以上に重要になり、打倒アメリカのための最低条件になるだろう。

 そして菊池は、今大会で幾度となくチームを救ってきた華麗な守備をドジャースタジアムでも披露することができるか。ここまで日本は守りからリズムを作って攻撃へと繋げてきた。それが日本野球の特徴でもある。そしてその“守りのリズム”は、セカンドゴロから作られてきた。ミスが許されない一発勝負の中で、菊池の「流れを変える守備」の必要性は、より一層高まっている。

 世界一奪還まで、あと2勝。東京ドームで掴んだ勢いは、移動と環境の変化、練習試合2試合に連敗したことで薄まりはしたが、完全に消え去ってはいないはず。まずは雰囲気に“慣れる”ことだが、先手を打って自分たちで流れを“掴む”ことができれば一気に視界は開ける。その意味でも先制点の重要性は、いつも以上に大きくなる。試合の“入り”を間違えてはならない。