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じわじわ広がる「飛行犬」ブームの仕掛け人に迫る!

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by 南文枝 (更新 )

犬が4本の足をぴんと伸ばして飛ぶ姿をとらえた「飛行犬」写真。こちらは2016年飛行犬大賞に選ばれた福田ぬぅちゃん(飛行犬撮影所提供)

犬が4本の足をぴんと伸ばして飛ぶ姿をとらえた「飛行犬」写真。こちらは2016年飛行犬大賞に選ばれた福田ぬぅちゃん(飛行犬撮影所提供)

元祖飛行犬写真家の的場さんと愛犬のスカイ。飼い主と犬との関係が飛行犬撮影における大切なポイントだという

元祖飛行犬写真家の的場さんと愛犬のスカイ。飼い主と犬との関係が飛行犬撮影における大切なポイントだという

投げたボールを追い走るスカイを望遠レンズでとらえる。ちょっと浮いている?!

投げたボールを追い走るスカイを望遠レンズでとらえる。ちょっと浮いている?!

「飛行犬」となったスカイはこんな感じだ(2013年1月撮影、飛行犬撮影所提供)

「飛行犬」となったスカイはこんな感じだ(2013年1月撮影、飛行犬撮影所提供)

年に1度、前年に撮影した犬たちの写真集も発行している

年に1度、前年に撮影した犬たちの写真集も発行している

「飛行犬」をご存じだろうか。まるで空を飛んでいるように見えるわんちゃんの写真で、愛犬家の間でブームとなっているのだ。

【飛行犬20連発はこちら】

 もちろん、本当に犬が空を飛ぶわけではない。全力ダッシュする犬の、4本足がすべて地面から離れ、あたかも空中を飛んでいるように見える一瞬をとらえるのだ。どうやって撮影するのだろうか?

 兵庫県と四国を結ぶ淡路島南部、兵庫県南あわじ市には、「飛行犬」の写真が撮影できる広大なドッグランがある。撮影所を訪ね、ブームの仕掛け人、元祖飛行犬写真家の的場信幸さん(56)に話を聞いた。

「南あわじドッグラン 飛行犬撮影所」は、のどかな田園風景が広がる、山あいの集落の一角にある。周りをフェンスで囲まれた、芝生が張られた約1700平方メートルの広大な撮影所は、週末になると、「愛犬を飛行犬にしてほしい」という飼い主と犬たちでにぎわう。

 的場さんは2005年、旧知のカメラマンで有限会社「淡路デジタル」社長の沼田浩孝さん(56)と撮影所を開設した。現在は撮影所だけでなく、全国各地で開かれる撮影会でも、疾走する犬たちを追いかけている。年間3500~4000頭を撮影、これまでに2万頭以上の飛行犬をカメラに収めてきた。

 的場さんに愛犬、コーギーのメス「スカイ」をモデルに、実際に撮影してもらった。スカイから50メートルほど離れたところで、400ミリの超望遠レンズを装着したカメラを構える。カメラの高さは、スカイの目の高さと同じぐらいだ。沼田さんがボールを投げ、スカイが走り出した。

 犬の動きを予測するのは難しい。スカイは芝生の上を自由に走り回りながら、ボールを追いかける。だが、そこは飛行犬撮影のベテラン、スカイの目にピントを合わせ、レンズを左右に振りながら1秒間10コマの高速連写でとらえていく。的場さんによると、これまでの経験から、初対面の犬でも、どのような走りをするか、だいたい感覚的に分かるという。

 撮影会では、1匹あたり、15分程度の時間をかけて、100~150枚撮る。犬が緊張などで走らない場合は、好きなおやつや音の出るおもちゃ、ボールなどを使い犬の興味を引く。たいていの犬は、うまく走らせれば、飛行犬になる瞬間があるという。

 しかし、素敵な写真を撮影するための何よりも大切なポイントは、犬と飼い主との関係性だそうだ。「飛行犬の撮影は、わんちゃんが愛する飼い主に向かって走っていくところを撮るのが基本。ワンちゃんにうまく走ってもらうためには、飼い主の協力が欠かせない」(的場さん)

 的場さんは「わんちゃんが一生懸命走る世界の中で、キラッと光る瞬間がある。その一瞬を撮れる可能性があるから面白い」と飛行犬撮影の醍醐味(だいごみ)を語る。


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