VRが孤食を救う? おばあちゃんと食卓を囲む「バーチャン・リアリティ」とは (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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VRが孤食を救う? おばあちゃんと食卓を囲む「バーチャン・リアリティ」とは

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簡易VRビューアーの利用イメージ(南あわじ市提供)

簡易VRビューアーの利用イメージ(南あわじ市提供)

独立国「あわじ国」のポスター。上沼恵美子官房長官の存在感がすごい(南あわじ市提供)

独立国「あわじ国」のポスター。上沼恵美子官房長官の存在感がすごい(南あわじ市提供)

 慌ただしく仕事や学校などに向かう朝、疲れて帰ってきた夜、1人でご飯を食べるのが、なんとなく寂しい時がある。そんな時にのぞいてみたいのが、淡路島にある兵庫県南あわじ市が、2017年1月11日からインターネット上で配信しているVR(バーチャルリアリティ)動画「あわじ国バーチャン・リアリティ」だ。

 スマートフォン(スマホ)で「おばあちゃんと朝ごはん編」を再生すると、おいしそうな三角のおにぎりや卵焼きが並んだ食卓に、おばあちゃんが野菜たっぷりの味噌汁を持ってくる。

「よう寝れたか?ぎょうさんおあがりや」。優しく声をかけてくれるおばあちゃん。「じいちゃんもな、ほんまに楽しみにしてたんやで。なあじいちゃん」。おばちゃんの目線の先、右側にスマホを振ると、縁側で碁を打つおじいちゃんが「よう帰ってきてくれた」と笑う。食事の途中には、ご近所さんがレタスを持ってきてくれる。「あっ帰ってたん!久しぶりやねえ」。和やかに食事は進む。

 お次は「おばあちゃんと夜ごはん編」。タマネギのステーキや淡路ビーフステーキ、「淡路島3年とらふぐ」の刺身など、南あわじ市の特産品を使った料理がずらりと並ぶ食卓を、おじいちゃん、親せき、ご近所さんたちと囲む。

「おいしいか~?」「仕事はどうなんや?体を大事にして頑張ってなあ~」。ここでもおばあちゃんは優しい。総勢約20人のにぎやかな食卓は、まるで里帰りした時のようだ。デザートのプリンを待ち切れずにせがむ子どもたちを見て、動画を見ている“私”の子ども時代を懐かしむおばあちゃん。まさに「バーチャン・リアリティ」だ。

「おばあちゃんには社会的な役割があると思うんですよ。一親等の父母とは違う優しさがあり、声をかけられると癒やされる、落ち着く、勇気がわいてくる。特産品と共に、そんな一面も伝えたい」

 こう語るのは、南あわじ市食の拠点推進課課長、喜田憲和さんだ。市が樹立した架空の新国家「あわじ国」の活動を通して、特産品のPRに携わっている。今回のVR動画も、その一つだ。

 1970年代後半から80年代ごろにかけて、全国各地で自治体などによる、町おこしを目的とした“ミニ独立国”の建国ブームが起こった。ブームはその後、市町村合併などで終息したが、南あわじ市は、地域のPR策として独立国に着目。市出身のタレント、上沼恵美子さんの協力を得て、2016年1月、あわじ国として独立を試みる動画を配信、続いて独立の是非を問うインターネット投票を行った。


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