昨季世界選手権で200点に迫った本郷理華(20)は、全日本のショート2位で折り返すもフリーでジャンプに失敗し、今季の四大陸選手権と世界選手権の代表を逃した。しかし、豪快なジャンプと長身を生かしたダンスで、インパクトは健在だった。

 ジュニアは、宮原を指導する濱田美栄コーチ率いる“濱田組”がポテンシャルの宝庫となっている。「関西大学たかつきアイスアリーナ」を拠点にし、全日本4位の本田真凛(15)、3アクセルジャンパーの紀平梨花(14)ら、色とりどりの選手が切磋琢磨する。

 パフォーマーとしての器量や滑りと踊りの技量を持つ本田真凛は、ジュニアながら魅せるビジュアルを創り出している。200点はすぐそこだ。宮原と樋口に次ぐ日本女子3位のシーズンベスト「194.24」をマークした紀平は、「全6種類の3回転ジャンプ8本」をフリーで成功させ、女子シングル史上初の偉業を達成した。7月21日が誕生日で、平昌五輪出場には21日遅生まれだが、来季にかけて世界を驚嘆させるだろう。

 今季前半に怪我で低迷した浅田真央(26)は、日本女子2位の自己ベスト「216.69」で他を引き離している。全日本では、3アクセルともう1つの切り札3フリップ+3ループに挑んだ。これらが決まれば、ジャンプの得点で世界の群を抜く。そして、希望に懸ける浅田真央の疾走は、平昌五輪まで私達に夢を与えてくれる。

 宮原と樋口と三原は、五輪と同時期の2月中旬に同会場で開催される四大陸選手権で北米勢と相見え、3月末の世界選手権では五輪出場選手枠最大「3」をかけて、最強ロシア勢を含む先頭集団との頂上決戦を共に戦う。選手達のたゆまぬ精進を応援してほしい。(文=Pigeon Post ピジョンポスト 島津愛子)