堂林翔太選手=2015年2月18日、沖縄県沖縄市、伊藤進之介撮影 (c)朝日新聞社
堂林翔太選手=2015年2月18日、沖縄県沖縄市、伊藤進之介撮影 (c)朝日新聞社

 「神ってる」が新語・流行語大賞を受賞した2016年。その主役である鈴木誠也は高卒4年目の今季、打撃3部門で自己最高の成績(打率.335、29本塁打、95打点)を残し、広島の25年ぶり優勝の原動力となった。

 この“神ってた”男に続く新たなスター選手が来季も誕生するのか?“第2の鈴木誠也”をセの球団別にピックアップしたい。

 まずはセ・リーグ。連覇を目指す広島は来季もVメンバーが不動だが、その中で「三塁」と「左翼」の争いは注目。外国人を含めてレギュラー候補は多々いるが、年齢的に考えると、やはり堂林翔太と野間峻祥の2人に期待したいところだ。

 堂林は高卒3年目の12年に144試合に出場して14本塁打を放ったが、翌年以降は成績が下降線を辿って今季は1軍47試合出場でスタメンは13試合のみ。打率.250、2本塁打に終わった。それでも“鯉のプリンス”と呼ばれた男がこのまま終わるはずはない。同じく野間もドラフト1位ルーキーとして注目を浴びた1年目は“隙あらば野間”というフレーズが生まれるほど重用されて計127試合に出場したが、今季は出場21試合と出番が大幅減。来季、連覇を成し遂げるためには鈴木に続く新戦力の台頭が是非とも欲しいところ。そのブレイクの材料の一つである「悔しさ」を、この2人はすでに持っている。

 V奪回を目指す巨人では、ドラフト1位ルーキーの吉川尚輝に期待が集まる。プロでは「二塁」で勝負する予定。クルーズ、片岡治大らのライバルはいるが、吉川が1年目からレギュラーの座を奪って坂本勇人との“新時代二遊間”を結成できれば、大型補強を敢行する中でもファンは納得できるはず。同時に、巨人には岡本和真という未来の4番候補がいる。高卒2年目の今季は1軍出場も期待されたが、村田修一が好調だったこともあり、ファームでの英才教育に方針転換。その結果、イースタンで96試合に出場してリーグ2位の18本塁打&リーグトップの74打点をマークした。ライバルは多いが、岡本が1軍でブレイクできれば世代交代も一気に進むはずだ。

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