ジンバブエ代表の俊速FWカラマ・ビリアット、コロンビア人の大型FWレオナルド・カストロ、チャンスメイクとフィニッシュの両面に優れる23歳の南アフリカ代表キーガン・ドリーというアタッカー陣をテクニカルな中盤が支え、最終ラインには格闘家のごとく屈強なDFが揃う。組織としてのベースもあるが、局面では個の勝負をしてくる傾向が強い。

「ただ単にヘディングで勝つとかそういうのではなく、チームの組織で勝たないと。1人が競り負けても次の人がカバーしたり、そういうことが大事になってくる」

 DFリーダーの昌子源がそう語るように、鹿島としては持ち前の組織としての連動性を発揮しながら、それでも生じる“デュエル”(1対1)で極力負けない様にすること、さらに周囲の選手が的確にカバーしていくことが求められる。また映像などで相手を分析していても、実際に試合に入らないと相手との間合いやリズムは掴みにくいはず。なにしろ、普段はほとんど体験しないアフリカ人選手が相手になるため、早い時間帯に慣れること、そしてチーム間で共有することが大事になる。

 一発勝負のトーナメント戦であるだけに、どういう入り方になるにせよ、終盤の選手交代が勝負に大きく関わってくるはず。オークランド・シティ戦では金崎という“切り札”がベンチにいたが、彼が先発した場合でも途中出場の選手が集中して試合に入り、勝利に貢献することが求められる。(文・河治良幸)