まず、WELQ、MERYを含む全10サイトを非公開にしたことについては、守安社長は「WELQで専門家による監修のないまま、誤った医療関連の情報をのせていたことに数多くのご批判を頂きました。不適切な形で提供することは大きな問題であると反省し、非公開にすることにいたしました。また、共通する運営体制を取っているサイトもマニュアルに転載を推奨していると捉えられかねない記述があることがわかり、9つを非公開にすることを決定しました」と説明した。
MERYに関してはそれらとは運用体制が異なったため、一時はそのまま継続する措置をとったが、改めてサイトの記事を精査したところ、無断転用などが疑われる記事が8割に上ったという。これを受けて、改めてMERYも全記事非公開にすることを決定、7日までに全ての記事が非公開となるに至った、とのことだった。
この問題の驚くべき点のひとつが、メディアで報じられるまで、トップの人間がこうした事実を知らなかったということだ。
守安社長は問題を認識した時期について「先週の月曜日、バズフィードさんの記事を見たときに知りました」と話し、さらに問題となっているマニュアルについては、「それまでマニュアルの中身を見たことはなかった」と明かしている。医療記事は専門性が高いため、配信には十分な注意が必要だが、「サイトに掲載した後、専門家に監修してもらえばいいという認識だった」という旨の発言もあった。
また、創業者である南場氏は2011年、夫がガンを宣告されたことから、社長を退いており、会見前々日にはその夫を亡くしている。報道陣から「ご家族の介護をする中で、情報を検索したこともあるのでは。WELQを見たときにはどう感じたか」と質問が飛ぶと、次のように答えた。
「WELQの情報に関してはまったく認識しておりませんでした。闘病が始まってからネットで徹底的に調べておりまして、ネットの情報は信頼できないと11年時点で思いまして、私の情報収集は論文と、専門家からのレクチャーからにしていました。この件を知ったのは報道されてからです。『ガン』で検索をして(WELQの記事が)いくつか出てきたときに『いつ、こんな重い情報をのせるようになったのか』と愕然とした思いでした。経営者として非常に不覚だと思っております」(南場氏)