銅メダル・錦織圭、「96年」の重い扉をこじ開けた“起死回生”のショット (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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銅メダル・錦織圭、「96年」の重い扉をこじ開けた“起死回生”のショット

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テニス競技では日本人として96年ぶりにメダルを獲得した錦織圭。(写真:Getty Images)

テニス競技では日本人として96年ぶりにメダルを獲得した錦織圭。(写真:Getty Images)

 そのわずかなエネルギー残量の差が、両者の立ち上がりの明暗を分けただろうか。錦織は果敢にコート内深くに踏みこみ、跳ね際のボールにラケットをピタリと合わせる。鋭い打球を速いリズムで次々と相手コートに叩き込んだ。打ち合いで後手に回る局面が多くなったナダルは、返球が浅くなる。その浅くなったボールを錦織に叩かれるため、今度は無理に深く返そうとして、打球がラインを割る回数が増えていった。わずかな隙を逃さず第5ゲームをブレークした錦織は、そのまま4ゲーム連取で第1セットを先取する。セットポイントで決めたのは、過去2試合でほとんど取れなかったサービスエースだった。

 第2セットに入っても、錦織はスピードを緩めない。フォアのウイナーで第3ゲームをブレークすると、一気に5-2と大きくリード。そうして迎えた自らのサービスゲームで30-30とし、勝利まであと2ポイントに迫っていた。

 だが、この場面で、錦織はダブルフォールトを犯し、相手にポイントを献上してしまう。これが“痛恨のミス”だとわかるのは、しばらくたった後のこと。錦織のミスが急に増え出すにつれ、開き直ったように攻めるナダルが強打を放つ。これらが重なった時、試合の流れは突如として反転した。4ゲーム連取で追い上げたナダルがタイブレークも制し、ほぼ終わったと思われた3位決定戦は、くだんのダブルフォールトから約40分後に振り出しに戻った。


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