錦織以外の日本人選手では、相次ぐ欠場者により杉田祐一とダニエル太郎が、直前で出場権を獲得した。27歳の杉田は、ロンドン大会で日本代表となった伊藤竜馬と同期。その同期の活躍を「羨ましい経験してますよね」と発奮材料とし、昨年からリオ五輪出場を一つの目標としてきた。今季はランキングを上げたのみならず、ATPツアーにも果敢に挑戦し実力と実績の底上げも果たしている。今回の僥倖は、そんな彼の上昇志向の対価だろう。その杉田が初戦で対戦するのは、334位で31歳のブライアン・ベイカー。ジュニア時代は天才と称賛されながら、度重なるケガのために長くツアーレベルからの離脱を強いられてきた苦労人だ。艱難辛苦を経てきた両者の対戦は、趣深いものになるだろう。

 4年後の東京五輪に焦点を定めていたダニエルは、本人も「びっくり」の吉報により、予想よりも一足早く五輪の舞台を踏むことに。初戦の相手は、高速サーブと強打が武器の第14シードのジャック・ソック。23歳の若武者同士の、熱い真っ向勝負が展開されそうだ。

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