そこでシンガポール戦とカンボジア戦は、日本が本来得意とするボールポゼッションから相手ゴールをこじ開けようとするのではないだろうか。そのために、浦和ではボランチの位置からゲームを組み立てる柏木を、「できるだけ高い位置」でプレーさせようとしている可能性が高い。

 そして岡崎慎司(レスター)や武藤嘉紀(マインツ)はDF陣の裏へ飛び出すプレーを得意とするものの、指揮官は、スペースがない時には「サイドからのグラウンダーの早いクロスを有効にできる選手」として金崎の名前を挙げた。

 ただし、柏木や金崎がスタメン出場するかどうかは微妙なところ。ハリル・ジャパンの基本システムはダブル・ボランチの「4-3-3」。トップ下には好調を維持する香川真司(ドルトムント)と清武弘嗣(ハノーファー)がいるし、1トップには先週ハットトリックを達成した武藤嘉がいるからだ。柏木をボランチで起用しつつ前線に上げる起用法もあるが、ハリルホジッチ監督がそこまで大胆な采配をするとは考えにくい。

 結論として、2人の出番はセイフティーリードを奪った後の大量点狙いか、試合が膠着状態に陥った場合だろう。願わくば前者での登場を願いたいところだ。

サッカージャーナリスト・六川亨)