ジュニアオールジャパンに参加したメンバー(小谷君提供)
ジュニアオールジャパンに参加したメンバー(小谷君提供)
ロサンゼルスの地元チームと対戦。からっとしていて過ごしやすく、野球もやりやすかったという(小谷君提供)
ロサンゼルスの地元チームと対戦。からっとしていて過ごしやすく、野球もやりやすかったという(小谷君提供)
「プロ入りに加えて、メジャーへの夢も広がった」という小谷君
「プロ入りに加えて、メジャーへの夢も広がった」という小谷君

「野球選手になりたい」という才能ある若者たちを支援しようと、元大リーグ投手、野茂英雄さんが設立したNOMOベースボールクラブ(兵庫県豊岡市)。野球を続けたい若者たちの受け皿になるだけではなく、海外遠征や野球教室、野球大会など、子どもたちの夢を後押しする活動にも取り組む。2015年8月のアメリカ遠征に、地元からただ1人選抜された中学生に話を聞いた。

 クラブは09年から毎年、全国の中学生硬式野球チームからトップクラスの選手を集めて日本代表チーム「ジュニアオールジャパン」を結成し、アメリカ遠征を行っている。野茂さんの「子どもたちに、早い時期から世界の野球を経験してもらおう」という思いから始まった取り組みで、現在埼玉西武ライオンズで活躍する森友哉選手も中学時代、10年に行われた遠征に参加している。

 クラブの地元である朝来市の中学3年生、小谷優宇(ゆう)君(15)も、所属チーム「姫路アイアンズ」の監督で元大阪ガス主将、川端秀宣さんの推薦を受けて代表入りした。ちなみに川端さんは社会人野球時代、野茂さんからホームランを打ったことがある。小谷君は小学校時代、内野手や捕手を経験したが、強肩だったこともあり、4年生の時にけがをしたのを機に投手に転向。平均136キロ、最速で140キロのボールを投げる本格派だ。

 8月19~25日の1週間、代表チームの総監督を務める野茂さんやNOMOクラブの清水信英監督、全国から集まった選手15人らとともにアメリカ・ロサンゼルスの遠征に参加した。現地では、地元中学生チームとの試合に臨み、大リーグの試合を観戦した。かつて野茂さんがプレーしたドジャースの元オーナーで実業家、ピーター・オマリー氏からディナーにも招待されたという。

 小谷君は、本などで野茂さんのことを知り、トルネード投法をまねしてみたこともある。初対面の印象について「体格が良かった。メジャー(大リーグ)でも日本でも活躍しただけあって、オーラが違った」と話す。あまり指導は受けなかったが、ミーティングでは、「2、30点を取ってアメリカのチームに圧勝し、胸を張って(日本に)帰ろう」と激励された。

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