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ノーベル賞の大村智さんは元定時制高校の先生

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ノーベル賞セレモニーの様子 (Photo: Alexander Mahmoud © Nobel Media AB) 

ノーベル賞セレモニーの様子 (Photo: Alexander Mahmoud © Nobel Media AB) 

大村智さん(2015年1月28日 朝日賞授賞式にて) (c)朝日新聞社 

大村智さん(2015年1月28日 朝日賞授賞式にて) (c)朝日新聞社 

 今年のノーベル医学生理学賞に、北里大特別栄誉教授の大村智さん(80)らが選ばれた。日本人の受賞は昨年に続く快挙だが、その異色の経歴にも注目だ。

「メディカル朝日」2014年10月号の「サムライたちのクスリ PART2 『ニッポン発の創薬』を目指して 第4回 イベルメクチン」(取材・塚崎朝子)によると、大村さんは1935年、山梨県韮崎市の農家の長男として生まれ、高卒後は家業を継ぐものと考えていたが、父に大学進学を認められて山梨大学学芸学部自然科学科に入学。卒業後は都立墨田工業高校定時制の教員をしながら東京理科大学大学院に進学したという苦労人だ。修士課程を終えて助手に採用されたのが母校の発酵生産学科(当時)。山梨大はワインの研究が盛ん。ブドウ糖からアルコールをつくる酵母の働きをみて、「とても人にはまねできない」と、微生物のはかりしれない可能性に開眼したという。

 北里研究所時代には抗生物質研究室室長として、自らも含むメンバーに通勤時や出張時にビニール袋を持たせ、スプーン1杯の土を持ち帰ることを課した。1グラムの土には1億個以上の微生物がいるという。1974年、静岡県伊東市のゴルフ場近くで採取された土の中にいた新種の放線菌から作り出された物質が、今回の受賞業績「寄生虫による感染症の治療法に関する発見」へとつながる。大村さんが開発した新薬「イベルメクチン」は、熱帯地方で猛威をふるっていた感染症「オンコセルカ症」の特効薬として、多くの患者を失明から救ったのだ。


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