だが、お見合いをする人は、「誰かいい人はいませんか」とひと口に言うが、その実、見合い相手への注文は数多い。容姿、学歴、収入などなど、そうした当人の希望も“平成版・お見合いおばさま”は出来得る限り聞き入れる。

 お見合いを世話した女性から「自分の希望するところを、懸命にかなえてくれようと奔走してくれたのがうれしかった」と話すのは、これまで数多くの縁談をまとめてきた実績を持つ埼玉県在住のトモコさん(48)だ。先日、79歳の母からは、「人の恋愛の面倒をみるのはもう止めなさい」と言われたばかりだ。

「でもね、若い人たちが幸せそうなのを見るのも楽しいし。人と人のつながりは大切にしたいから。だからこれからもずっと“お見合いおばさま”を続けていきます」(トモコさん)

 そんなトモコさんは、今、まさに縁を紡ぎそうな、ある30歳男性と20代後半女性を見守っていると話す。

「友人の息子さんなんですけど。たまたま都内にお仕事で出てこられるとか。それで私に相談したいことがあると……でもお食事するにしても、私と30代男性と2人きりというのもお互いに照れますし。そこで私が存じ上げている20代後半のお嬢さんを連れて行ったんです。そしたら彼も、そして彼女もお互い通じるものがあったみたいです」(トモコさん)

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